シーリング劣化の症状と原因と対処法|外壁・雨漏りトラブルを防ぐために知っておきたい基礎知識
住宅の外壁をよく見ると、外壁材と外壁材の継ぎ目や、サッシ周り、玄関ドア周りなどにゴム状の材料が充填されているのを目にしたことがあると思います。この部分がシーリング(コーキング)です。
シーリングは、外壁塗装と同じくらい住宅を守るうえで重要な役割を担っていますが、意外と見落とされやすく、劣化に気づいたときには雨漏りや外壁内部の腐食が進行しているケースも少なくありません。この記事では、
・シーリングとは何か
・劣化症状の種類
・劣化が起こる原因
・放置した場合のリスク
・正しい対処法とメンテナンスの考え方
について、詳しく解説します。
シーリング(コーキング)とは?
シーリングの役割
シーリングとは、建物の隙間を埋めるために使用される弾力性のある材料です。主に以下の役割を果たしています。
・雨水の侵入防止
・外壁材同士の隙間の防水
・地震や温度変化による動きへの追従
・気密性の確保
特に日本の住宅は、地震や台風、豪雨といった自然環境の影響を受けやすいため、シーリングの健全性は建物寿命に直結するといっても過言ではありません。
シーリングが使われている主な箇所
・サイディング外壁の目地
・窓(サッシ)周り
・玄関ドア周り
・換気フード周り
・外壁と屋根の取り合い部
これらの部分は、構造上どうしても隙間が生じるため、シーリングによる防水処理が欠かせません。
シーリング劣化の主な症状
シーリングは消耗品であり、必ず劣化します。以下は、代表的な劣化症状です。
症状① ひび割れ(クラック)
シーリング表面に細かいひび割れが入る状態です。
原因
・紫外線による硬化
・経年劣化
・弾力性の低下
初期段階では見た目の変化が小さいため、放置されがちですが、内部への水の侵入口になる危険なサインです。
症状② 肉やせ(痩せ)
シーリングが痩せて、目地の奥に引っ込んでしまう状態です。
原因
・可塑剤の揮発
・施工時の材料不足
・経年による収縮
肉やせが進行すると、目地の隙間が広がり、雨水が直接侵入しやすくなります。
症状③ 剥離(はくり)
シーリングが外壁材から剥がれてしまう症状です。
原因
・下地処理不足
・プライマー未塗布
・外壁材との相性不良
・建物の揺れや動き
剥離は、雨漏りリスクが非常に高い状態であり、早急な対処が必要です。
症状④ 破断(切れ)
シーリングが完全に切れてしまい、隙間が露出している状態です。
原因
・経年劣化
・地震や振動
・硬化による追従性喪失
破断が発生している場合、内部に直接雨水が入り込むため、外壁内部や構造材の腐食につながります。
症状⑤ 硬化・弾力低下
触るとゴムのような弾力がなく、カチカチに硬くなっている状態です。
原因
・紫外線
・風雨
・熱による劣化
弾力が失われると、建物の動きに追従できず、ひび割れや破断を引き起こします。
シーリング劣化が起こる原因
原因① 紫外線による劣化
シーリングは、外壁の中でも特に紫外線の影響を受けやすい部材です。紫外線を浴び続けることで、
・硬化
・ひび割れ
・弾力低下
が進行します。
原因② 雨・湿気・温度変化
日本は、
・夏の高温多湿
・冬の寒暖差
が大きく、シーリングにとって過酷な環境です。膨張と収縮を繰り返すことで、劣化が加速します。
原因③ 建物の揺れ・動き
地震や強風、交通振動などにより、建物は常にわずかに動いています。シーリングはその動きに追従しますが、劣化が進むと追従できず、破断や剥離が起こります。
原因④ 施工不良
以下のような施工不良も、劣化を早める大きな原因です。
・プライマー未塗布
・適正な厚みが確保されていない
・乾燥不足
・材料の選定ミス
施工直後は問題がなくても、数年で不具合が表面化することがあります。
シーリング劣化を放置するとどうなる?
雨漏りの発生
最も大きなリスクは雨漏りです。シーリングの隙間から侵入した雨水は、外壁内部を伝い、室内に到達します。
外壁内部の腐食・劣化
・木材の腐食
・断熱材の劣化
・カビの発生
といった深刻なダメージにつながります。
補修費用の増加
初期段階で補修していれば済んだものが、放置することで外壁張り替えや構造補修が必要になるケースもあります。
シーリング劣化の正しい対処法
対処法① シーリング打ち替え
既存のシーリングをすべて撤去し、新しいシーリング材を充填する方法です。
特徴
・耐久性が高い
・防水性能を根本から回復
・外壁目地には基本的にこの方法
対処法② シーリング増し打ち
既存シーリングの上から新しいシーリングを施工する方法です。
特徴
・工期が短い
・費用を抑えやすい
・サッシ周りなどに適している
ただし、劣化が進んでいる場合には不向きです。
対処法③ 外壁塗装と同時施工
シーリング工事は、外壁塗装と同時に行うのが理想です。
・足場費用を抑えられる
・防水性能を一度に回復できる
・建物全体のメンテナンスバランスが良い
シーリング材の種類と選び方
主なシーリング材
・変成シリコン系
・ウレタン系
・シリコン系
現在の外壁では、変成シリコン系が主流です。
高耐久シーリングの重要性
近年では、
・高耐久
・長寿命
のシーリング材も登場しています。
外壁塗料の耐久年数に合わせたシーリング材を選ぶことで、メンテナンスサイクルを揃えることが可能です。
シーリング工事で後悔しないために
業者選びのポイント
・下地処理を丁寧に行う
・施工工程を写真で説明してくれる
・使用材料を明確にしている
・打ち替えと増し打ちの違いを説明できる
これらを満たす業者であれば、安心して任せることができます。
まとめ|シーリングは「見えない重要部材」
シーリングは目立たない存在ですが、建物の防水性能を支える非常に重要な部材です。
・症状を見逃さない
・原因を正しく理解する
・適切な対処を行う
これらを意識することで、住まいを長く、安心して守ることができます。外壁塗装やリフォームを検討する際は、ぜひシーリングの状態にも目を向けてみてください。
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- 中間マージンのかからない、職人直営の自社施工会社を選ぶ。
- 地域に根ざし、その土地の気候や特性を熟知している会社を選ぶ。
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