屋根塗料は水性と油性(溶剤系)のどちらを選ぶべき?|耐久性・臭い・費用まで徹底比較

屋根塗料は水性と油性(溶剤系)のどちらを選ぶべき?|耐久性・臭い・費用まで徹底比較
目 次

    屋根塗装を検討するとき、「水性塗料と油性塗料(溶剤系)、どっちが良いの?」という質問を多くいただきます。外壁では水性塗料が一般的ですが、“屋根”に関しては事情が大きく異なります。結論から言うと、 屋根塗装は油性(溶剤系)塗料が主流で、耐久性・密着性の面で非常に優れています。しかし、水性塗料がまったく使われないわけではなく、選択肢として理解しておくことは大切です。本記事では、屋根塗料の基本知識から、油性・水性それぞれの特徴、耐久性の比較、屋根材との相性、費用面、そして最適な塗料選びのポイントまで詳しく解説していきます。

    目次

    【1】屋根塗料の種類は「水性」と「油性(溶剤系)」の2タイプ

    まず押さえておきたいのが、屋根塗料は大きく 水性油性(溶剤系) の2種類に分類されるということです。

    ◆ 水性塗料とは?

    水で希釈して使用するタイプ。外壁塗装の主流で、環境配慮・安全性の観点から住宅では多く採用されています。

    特徴
    ・においが少ない
    ・作業環境にやさしい
    ・家族が在宅中でも比較的安心

    ただし、紫外線・熱・湿気にさらされる屋根では、耐久性が不足しやすいというデメリットがあります。

    ◆ 油性(溶剤系)塗料とは?

    シンナーで希釈して使用するタイプ。金属部・屋根など、耐久性を求める場所で広く使用されています。

    特徴
    ・強い密着性
    ・高い耐久性
    ・防水性が高い

    臭いが強いという欠点はありますが、屋根のように外部の最も過酷な場所では最適な選択肢になります。

    【2】屋根塗装では“溶剤系(油性)”が主流になる理由

    なぜ屋根塗装では油性がほぼ必須なのか?その理由は屋根が置かれている環境にあります。

    ① 紫外線量が外壁の数倍で過酷な環境だから

    屋根は一日中強い日差しを受け続けます。紫外線は塗膜劣化を早める最大の要因です。油性塗料は紫外線に強く、水性塗料より 耐候性(耐久年数)が圧倒的に長い のが特徴です。

    ② 雨・風・温度変化にさらされ続ける

    日本の屋根は、雨量・湿気・季節の温度差が激しく、冬は氷点下、夏は60℃以上になることもあります。塗膜の柔軟性・密着力が求められるため、溶剤系のほうが剥がれにくく、長持ちします。

    ③ 屋根材がチョーキング(粉吹き)しやすい

    スレート(コロニアル)の屋根材は経年で表面が粉状になり、水性塗料では密着不良を起こしやすい素材です。油性塗料は密着力が強く、チョーキングが出ている屋根でも塗装が安定します。

    【3】屋根に水性塗料が使われるケースは限定的

    水性は外壁では一般的でも、屋根となると次のようなケースを除き採用されません。

    ✔ 使用環境が穏やか(紫外線が弱い地域)

    ✔ 劣化が少なく密着性が十分に確保できる場合

    ✔ 臭いをどうしても避けたい場合

    ✔ 特殊な高性能水性塗料(ハイブリッド系)を使用する場合

    ただし、これらはいずれも例外的で、一般的な住宅の屋根には 油性塗料一択と言っても過言ではありません。

    【4】水性と油性(溶剤系)の比較表

    項目水性塗料油性(溶剤系)塗料
    耐久性★★☆☆☆★★★★★(高い)
    密着性★★☆☆☆★★★★★
    臭い★★★★★(少ない)★★☆☆☆(強い)
    屋根との相性◎(最適)
    耐候性(紫外線)
    価格比較的安いやや高い
    施工性
    環境性

    この比較からも、屋根塗装は油性塗料が圧倒的に有利であることが分かります。

    【5】油性塗料の中でも種類がある?

    屋根用塗料には、油性塗料のなかでもグレードが分かれています。

    ① シリコン塗料(スタンダード)

    耐久年数:約10〜13年
    コストと品質のバランスが良い。

    ② フッ素塗料(ハイグレード)

    耐久年数:約15〜18年
    強い紫外線でも劣化しにくい。
    屋根では外壁より効果が大きい。

    ③ 無機塗料(最高グレード)

    耐久年数:約20〜25年
    紫外線劣化をほとんど受けない。
    最も耐候性が高く、屋根に最適な塗料。

    ④ 遮熱塗料(省エネタイプ)

    屋根の温度上昇を抑える効果があり、室内温度の低減にも貢献。
    特に金属屋根では効果が大きい。

    【6】屋根材との相性|どんな屋根にどの塗料が合う?

    屋根材ごとに向いている塗料をまとめました。

    ◆ スレート屋根(コロニアル)

    → 油性(溶剤系)必須
    → 水性は密着不良のリスクが高い

    ◆ 金属屋根(ガルバリウム・トタン)

    → 溶剤系一択
    → 錆止めプライマーも溶剤系が基本

    ◆ セメント瓦・モニエル瓦

    → 専用溶剤系塗料
    → 表面処理が特殊なためプロの判断が必要

    ◆ 陶器瓦(いぶし瓦)

    → そもそも塗装しない
    → 塗料選び以前の問題なので注意

    【7】油性(溶剤系)塗料のデメリットとその対策

    溶剤系の不満点はほぼ「臭い」ですが、屋根の場合は対策がしやすいです。

    ■ デメリット① 臭いが強い

    → 屋外かつ屋根なので、室内への臭い侵入はほぼない
    → 屋根塗装の場合は人体への影響が少ない

    ■ デメリット② 価格が水性より高い

    → 10年以上長持ちするため、結果的にはコストメリットが大きい

    ■ デメリット③ 換気が必要

    → 屋外施工のため自然換気で対応可能

    【8】屋根塗料を選ぶ時のポイント(失敗しないために)

    屋根塗装で後悔しないためには、次の点が重要です。

    ① 水性より油性を優先する(耐久性重視)

    屋根は外壁以上に劣化が早いため、耐久性の弱い水性塗料を選ぶことは基本的に避けるべきです。

    ② グレードは「無機」または「フッ素」がおすすめ

    屋根は雨風と紫外線の影響が非常に強く、15〜20年クラスの塗料を使うほうが長期的にコスパが良いです。

    ③ 遮熱性能があると夏場の快適性が大きく向上

    特に金属屋根に効果が大きく、エアコン効率が改善されることがあります。

    ④ 下塗り(プライマー)選びが超重要

    屋根塗装の品質は下塗りで決まると言われています。

    ・スレート → 溶剤系シーラー
    ・金属屋根 → 溶剤系錆止め
    ・モニエル瓦 → 専用下塗り

    これを間違えると、どんな高級塗料も剥がれます。

    【9】まとめ|屋根塗料は水性より“油性(溶剤系)”が基本。耐久性・密着性で圧倒的に優れる

    ここまで解説したように、

    ✔屋根塗装は油性(溶剤系)が基本
    ✔水性は屋根には向かず、外壁向け
    ✔紫外線・雨に強いのは溶剤系
    ✔スレート・金属屋根は溶剤必須
    ✔無機・フッ素など高耐久塗料が最適
    ✔臭いは屋外なので大きな問題になりにくい

    屋根は家の中で最も過酷な環境に置かれるため、耐久性が高い塗料を選ぶことが家を長持ちさせる最大のポイントです。

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