縁切りとは?|屋根塗装で見落としてはいけない“重要な工程”

縁切りとは?|屋根塗装で見落としてはいけない“重要な工程”
目 次

    屋根塗装をご検討されているお客様から、
    「縁切りって何ですか?」
    「本当に必要なんですか?」
    というご質問をいただくことがよくあります。

    実はこの縁切り、屋根塗装の仕上がりや耐久性、さらには雨漏りの発生を防ぐために欠かせない重要な工程です。しかし、
    ・見た目では分かりにくい
    ・説明されないことも多い
    ・費用の違いとして表に出にくい

    といった理由から、軽視されがちな工程でもあります。

    この記事では、縁切りとは何かを初めて屋根塗装を行う方にも分かるよう、丁寧に解説していきます。

    ■そもそも「縁切り」とは何をする作業?

    縁切りとは、屋根塗装によって塞がってしまった屋根材同士の隙間を、意図的に確保する作業のことを指します。

    特に対象となるのは、スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)です。スレート屋根は、1枚1枚の屋根材が重なり合って施工されています。この重なり部分には、もともと

    ・雨水を排出するため
    ・内部に入り込んだ湿気を逃がすため

    わずかな隙間が設けられています。ところが屋根塗装を行う際、この隙間まで塗料で塞いでしまうと、本来の排水・通気機能が失われてしまうのです。そこで行うのが「縁切り」です。

    ■なぜ屋根塗装で縁切りが必要なのか?

    結論から言うと、縁切りは雨漏りを防ぐために必要な作業です。もう少し詳しく見ていきましょう。

    スレート屋根は「水が入る前提」で作られている

    多くの方は、「屋根は水を完全に通さないもの」というイメージを持たれています。しかし実際のスレート屋根は、

    ・強風時の雨
    ・横殴りの雨
    ・毛細管現象

    などによって、屋根材の内部に雨水が入り込むことを前提に設計されています。そのため、

    ・入った水を外へ逃がす
    ・内部に湿気を溜めない

    という仕組みがとても重要になります。この役割を担っているのが、屋根材同士の重なり部分の隙間なのです。

    ■塗装によって隙間が塞がると何が起きる?

    屋根塗装では、ローラーや刷毛を使って塗料を塗布します。その際、意識せずに塗装を行うと、

    ・屋根材の重なり部分
    ・水の通り道

    まで塗料で埋まってしまいます。すると、

    ・雨水の逃げ場がなくなる
    ・内部に水が滞留する
    ・湿気が抜けない

    といった状態が起こります。これが、縁切りをしないことによる最大の問題点です。

    ■縁切りをしないと起こる深刻なトラブル

    縁切りを行わずに屋根塗装を終えてしまうと、数年後に次のようなトラブルが発生する可能性があります。

    トラブル① 雨漏りの発生

    本来外へ排出されるはずの雨水が、

    ・屋根材の内部
    ・下地材(防水シート)

    に長時間留まることで、防水シートの劣化が早まります。その結果、

    ・天井からの雨染み
    ・壁内への水の侵入

    といった、雨漏り被害につながるケースがあります。しかもこの雨漏り、塗装直後ではなく数年後に発生することが多いため、原因特定が難しくなります。

    トラブル② 野地板・下地の腐食

    水分が滞留した状態が続くと、

    ・野地板(屋根の下地材)
    ・垂木

    といった構造部分にまで影響が及びます。木材は水分に弱く、

    ・腐食
    ・強度低下

    が進行すると、屋根全体の寿命を縮める原因になります。

    トラブル③ カビ・コケの発生

    屋根内部に湿気がこもることで、

    ・カビ
    ・藻
    ・コケ

    が発生しやすくなります。これらは見た目が悪いだけでなく、

    ・屋根材の劣化促進
    ・塗膜の早期剥がれ

    にもつながります。

    トラブル④ 塗装をしたのに長持ちしない

    縁切りをしていない屋根は、

    ・内部からの湿気
    ・水分による影響

    で塗膜が傷みやすくなります。結果として、

    ・数年で色あせ
    ・塗膜の浮き・剥がれ

    といった症状が出やすくなり、せっかく塗装したのに耐久性が発揮されないという事態になりかねません。

    ■縁切りが必要な屋根・不要な屋根

    ここでよくある疑問が、「すべての屋根に縁切りが必要なのか?」という点です。

    縁切りが必要な屋根

    主に以下の屋根が対象です。

    ・スレート屋根
    ・コロニアル屋根
    ・カラーベスト屋根

    これらは、屋根材同士が重なり合う構造のため、縁切りが必須となります。

    縁切りが基本的に不要な屋根

    ・瓦屋根
    ・金属屋根

    これらは構造上、塗装によって水の逃げ道が塞がれにくいため、通常は縁切り作業は行いません。

    ■縁切りの方法は2種類ある

    縁切りには、主に次の2つの方法があります。

    方法① カッター・工具による手作業の縁切り

    塗装後に、

    ・カッター
    ・専用工具

    を使って、
    屋根材の隙間を1枚ずつ切り開いていく方法です。

    メリット

    ・確実に隙間を確保できる

    デメリット

    ・作業に時間がかかる
    ・屋根材を傷つけるリスク
    ・施工者の技量に左右される

    現在では、あまり主流ではありません。

    方法② タスペーサーを使用した縁切り(主流)

    現在主流となっているのが、タスペーサーと呼ばれる部材を使う方法です。

    タスペーサーは、

    ・屋根材の重なり部分に差し込む
    ・塗装前に設置する

    ことで、塗装後も適切な隙間を確保できる部材です。

    ■タスペーサーを使う縁切りのメリット

    タスペーサー工法には、次のような利点があります。

    ・屋根材を傷つけにくい
    ・均一な隙間を確保できる
    ・作業効率が良い
    ・仕上がりが安定する

    そのため現在では、屋根塗装=タスペーサーによる縁切りと考えられるほど一般的になっています。

    ■縁切りは「見えないけれど重要な工事」

    縁切りは、

    ・見た目が変わらない
    ・完成後に確認しにくい

    という特徴があります。しかし、

    ・雨漏りを防ぐ
    ・屋根の寿命を延ばす
    ・塗装の効果を最大限に引き出す

    ためには、欠かせない工程です。

    ■縁切りをきちんと行う業者の見極めポイント

    屋根塗装を検討する際は、次の点を確認することをおすすめします。

    ・見積書に「縁切り」「タスペーサー」の記載があるか
    ・縁切りの必要性を説明してくれるか
    ・屋根の種類ごとの施工方法を理解しているか

    これらをしっかり説明できる業者は、屋根塗装の知識と経験がある業者と判断できます。

    ■まとめ:縁切りは屋根塗装の「保険」のような存在

    縁切りは、

    ・目立たない
    ・地味な作業

    かもしれません。しかし、

    ・やっていなければ大きなトラブルにつながる
    ・後からやり直すことが難しい

    という点で、屋根塗装における非常に重要な工程です。屋根塗装をご検討の際は、価格や塗料の種類だけでなく、

    「縁切りまで含めて、正しい施工が行われるか」

    という視点で、業者選びをしてみてください。

    後悔のないリフォームを実現するためには、以下のポイントを押さえて業者を選ぶことが重要です。

    ・中間マージンのかからない、職人直営の自社施工会社を選ぶ。

    ・地域に根ざし、その土地の気候や特性を熟知している会社を選ぶ。

    ・建物の状態を正確に診断し、最適なプランを提案できる専門知識を持った会社を選ぶ。

    福岡で屋根塗装をご検討の際は、ぜひ私たちトラストホームにご相談ください。
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