遮熱・断熱塗料塗装とは?|夏の暑さ・冬の寒さから住まいを守る「高性能塗装」のすべて
近年、外壁・屋根塗装の世界では「ただ色を変えるだけの塗装」ではなく、“暑さ対策・省エネ・快適性アップのための塗装”が選ばれるようになっています。
その中心にあるのが、 「遮熱塗料」「 断熱塗料」の2種類です。
「遮熱と断熱ってどう違うの?」
「どちらが家に良いの?」
「本当に部屋は涼しくなるの?」
こうした疑問を本記事では徹底的に解説 し、その違い・仕組み・メリット・注意点をご説明いたします。
- 1. ◆ 第1章:遮熱・断熱塗料とは何か?
- 2. ◆ 第2章:遮熱・断熱が必要な理由(気候の変化)
- 3. ◆ 第3章:遮熱塗料の仕組み(近赤外線を反射して家を涼しく)
- 4. ◆ 第4章:断熱塗料の仕組み(熱伝導率を下げる)
- 5. ◆ 第5章:遮熱と断熱の違いを徹底解説
- 6. ◆ 第6章:遮熱塗料のメリット・デメリット
- 7. ◆ 第7章:断熱塗料のメリット・デメリット
- 8. ◆ 第8章:遮熱塗料・断熱塗料が効果を発揮する場所
- 9. ◆ 第9章:遮熱・断熱塗料は本当に電気代を下げるのか?
- 10. ◆ 第10章:メーカー別の代表的な遮熱・断熱塗料
- 11. ◆ 第11章:塗装工程は通常の塗装と同じ?
- 12. ◆ 第12章:遮熱・断熱塗料の注意点
- 13. ◆ 第13章:遮熱・断熱塗料の導入で得られる生活メリット
- 14. ◆ 第14章:遮熱・断熱塗料のまとめ
- 15. 【遮熱・断熱塗料 Q&A】
◆ 第1章:遮熱・断熱塗料とは何か?
◎ 遮熱塗料とは
太陽光(特に近赤外線)を反射し、屋根や外壁が熱くなるのを防ぐ塗料。
◎ 断熱塗料とは
熱を通しにくくし、外気温の影響を室内に伝わりにくくする塗料。
この2つは“似ているようでまったく違う特性”を持っています。
後ほど科学的な仕組みも詳しく説明します。
◆ 第2章:遮熱・断熱が必要な理由(気候の変化)
日本の住宅は、気候変動の影響を大きく受けています。
- 夏の最高気温は35℃を超える地域が増加
- 屋根裏の温度は60~80℃になることも
- エアコンの電気代が年々上昇
- 外壁・屋根の温度上昇で塗膜の劣化が早まりやすい
こうした環境変化に伴い、“外壁・屋根そのものを涼しくする技術”が求められるようになりました。それが遮熱・断熱塗料です。
◆ 第3章:遮熱塗料の仕組み(近赤外線を反射して家を涼しく)
遮熱塗料のキーワードは 「反射」 です。
太陽光のうち「熱の正体」は 近赤外線。遮熱塗料はこの近赤外線を跳ね返すことで、屋根・外壁が熱を吸収しないようにします。
● 遮熱塗料のメカニズム
- 塗膜に特殊な反射顔料が入っている
- 近赤外線を反射する
- 表面温度の上昇を最大 10〜15℃抑制
- 結果として室内温度の上昇も軽減
● 遮熱塗料の主な効果
① 室内温度が下がる(2〜4℃)
② 夏のエアコン使用量が減る
③ 屋根・外壁の熱による劣化を防ぐ
④ 省エネ効果
遮熱塗料は 特に屋根で絶大な効果 を発揮します。
◆ 第4章:断熱塗料の仕組み(熱伝導率を下げる)
断熱塗料は遮熱と全く違う仕組みです。こちらのキーワードは 「熱を通さない」。
塗膜の中に、無数の中空ビーズ(空気層)が含まれており、熱が外壁・屋根の内側へ伝わりにくくなります。
● 断熱塗料のメカニズム
- 塗膜内の空気層が断熱材の役割
- 外気の暑さ・寒さを室内に伝えにくくする
- 冬の暖房効果も高まる
● 断熱塗料の主な効果
① 外からの熱を防ぐ(夏対策)
② 室内の熱を逃がしにくい(冬対策)
③ 結露の軽減
④ 外壁の膨張・収縮を抑え耐久性向上
遮熱塗料が「夏に強い塗料」
断熱塗料は「夏も冬も強い塗料」
というイメージです。
◆ 第5章:遮熱と断熱の違いを徹底解説
| 項目 | 遮熱塗料 | 断熱塗料 |
|---|---|---|
| 原理 | 反射して温度を上げない | 熱を通さない |
| 効果 | 夏の室温を下げる | 夏も冬も効果 |
| 主な用途 | 屋根に最適 | 外壁も屋根もOK |
| メリット | 表面温度を大幅に下げる | 一年中快適 |
| デメリット | 冬の断熱効果はない | 遮熱ほどの反射力はない |
| 価格帯 | 標準~高め | 高め |
◆ 第6章:遮熱塗料のメリット・デメリット
◎ メリット
- 表面温度が大幅に下がる(最大15℃)
- 夏の室内温度も2〜4℃下がる
- エアコン費用の節約
- 外壁・屋根の劣化を抑制
- 色の選択肢が多い
◎ デメリット
- 暖房の保温にはあまり効果がない
- 色によって効果差がある(黒→効果弱い)
- 高性能品は価格が高い
◆ 第7章:断熱塗料のメリット・デメリット
◎ メリット
- 夏も冬も効果がある
- 結露軽減
- 塗膜が柔軟でひび割れしにくい
- 音の吸収性が高い
- 室温が全体的に安定
◎ デメリット
- 遮熱ほど温度低下しない
- 他の塗料より価格が高い
- 厚膜塗装のため施工技術が必要
◆ 第8章:遮熱塗料・断熱塗料が効果を発揮する場所
■ 屋根
→ 遮熱塗料が最も効果を発揮する場所
(直射日光を強く浴びるため)
■ 外壁
→ 断熱塗料が効果を発揮
(厚膜の方が温度変化を抑える)
■ 小屋裏・屋根裏
→ 夏の熱気を大きく軽減
■ 日当たりの強い南面
→ 遮熱が有利
■ 北面・湿気の多い面
→ 断熱塗料の結露軽減が有効
◆ 第9章:遮熱・断熱塗料は本当に電気代を下げるのか?
結論:効果はある。ただし住宅環境に左右される。
効果が出やすい条件
- 日当たりが強い
- 屋根の色が濃い
- 最上階の部屋が暑い
- 断熱材が薄い家
- エアコン依存度が高い家
効果が出にくい条件
- 日陰が多い
- 高断熱の新築住宅
- 既に遮熱屋根材が使用されている
◆ 第10章:メーカー別の代表的な遮熱・断熱塗料
■ 遮熱塗料(屋根向け)
- アステック:スーパーシャネツサーモ
- 日本ペイント:サーモアイシリーズ
- 関西ペイント:アレスクール
- SK化研:クールタイト
■ 断熱塗料(外壁・屋根)
- 日進産業:ガイナ
- アステック:キールコート
- 日本ペイント:サーモアイウォール
◆ 第11章:塗装工程は通常の塗装と同じ?
基本は同じですが、断熱塗料は厚膜のため正しい施工技術が必要 です。
工程
- 高圧洗浄
- 下地補修
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
断熱塗料は膜厚が命なので、「規定塗布量」が重要です。
◆ 第12章:遮熱・断熱塗料の注意点
① 遮熱塗料は色選びが重要
白 → 反射率が高い
黒 → 効果が弱い
② 断熱塗料は「厚塗り」が前提
薄く塗られると本来の性能が出ません。
③ 遮熱と断熱のどちらが良いかは“地域・家の特徴”による
- 夏がとにかく暑い地域 → 遮熱
- 冬も寒い地域 → 断熱
④ 遮熱塗料でも屋根裏が10℃も下がるとは限らない
家の構造により効果は変動。
⑤ 激安業者の“遮熱塗料は無料”に注意
実際は安い一般塗料を使っていた、という事例も。
◆ 第13章:遮熱・断熱塗料の導入で得られる生活メリット
● 夏が快適になる
最上階の部屋のムッとした暑さが和らぐ。
● エアコン代の節約
冷房効率が上がり電気代が減る。
● 冬も暖かくなる(断熱塗料)
暖房効率が上がる。
● 外壁・屋根の寿命が延びる
熱による膨張・収縮が抑えられる。
● 結露の減少(断熱塗料)
湿気によるカビ対策になる。
● 塗膜の耐久性が向上
温度差が減ることで塗膜が長持ち。
◆ 第14章:遮熱・断熱塗料のまとめ
✔ 遮熱塗料
→ 近赤外線を反射して表面温度を下げる
→ 夏に強い
→ 屋根に最適
✔ 断熱塗料
→ 熱の伝わりを抑える
→ 夏も冬も効果
→ 外壁にも向いている
✔ どちらが良いか?
- 夏対策重視 → 遮熱塗料
- 年間を通して快適にしたい → 断熱塗料
遮熱・断熱塗料は、住まいを涼しく・暖かく・快適にする“高機能塗装” です。
ただの「外壁塗装」では得られない価値があり、環境保護・省エネ・住宅寿命延長にも貢献します。
後悔のないリフォームを実現するためには、以下のポイントを押さえて業者を選ぶことが重要です。
- 中間マージンのかからない、職人直営の自社施工会社を選ぶ。
- 地域に根ざし、その土地の気候や特性を熟知している会社を選ぶ。
- 建物の状態を正確に診断し、最適なプランを提案できる専門知識を持った会社を選ぶ。
福岡で外装リフォームをご検討の際は、ぜひ私たちトラストホームにご相談ください。
トラストホームは、福岡の建物を知り尽くしたプロによる「自社施工」にこだわり、中間マージンを徹底的にカットした適正価格で高品質な工事をお届けします。
お客様の大切な住まいを末永く守るため、最長10年の品質保証と万全のアフターフォロー体制で、安心のリフォームを実現いたします。
【遮熱・断熱塗料 Q&A】
Q1.遮熱塗料と断熱塗料は何が違うの?
A.遮熱は「反射」、断熱は「伝わらせない」機能です。
遮熱塗料は太陽光(近赤外線)を反射し、屋根や外壁の温度上昇を抑えます。
断熱塗料は塗膜自体が熱の通り道を遮断し、外気温の影響を室内に伝えにくくします。
Q2.どちらを選べば良いの?
A.目的と地域によって最適な塗料は変わります。
- 夏の暑さをとにかく抑えたい → 遮熱塗料
- 夏も冬も快適にしたい → 断熱塗料
- 屋根 → 遮熱塗料が効果大
- 外壁 → 断熱塗料が安定して有効
Q3.本当に室内温度は下がるの?
A.効果はありますが、家の構造によって差が出ます。
遮熱塗料なら室内温度が 2〜4℃程度 下がることが多いです。
家の断熱性能・日当たり・屋根材によって効果は変わります。
Q4.電気代はどのくらい下がる?
A.エアコンの稼働時間が減るため、年間数%〜10%程度の削減例があります。
特に屋根裏の温度が60〜80℃になる家では効果が大きく出ます。
Q5.遮熱・断熱塗料はどれくらい長持ちする?
A.種類により耐久性は変わりますが、通常の塗料より長寿命です。
- 遮熱シリコン:10〜13年
- 遮熱フッ素:15〜18年
- 高機能断熱塗料:15〜20年
「熱劣化」を防ぐため、塗膜が傷みにくく寿命が延びます。
Q6.黒色や濃い色でも遮熱効果はある?
A.薄い色に比べると効果は下がりますが、従来よりは改善されています。
特に屋根の濃色はどうしても温度上昇しやすいですが、
最新の遮熱顔料は「濃色でも一定の反射」が可能です。
Q7.断熱塗料は本当に冬も暖かくなるの?
A.はい。塗膜が熱を逃がしにくくするため、暖房効率が向上します。
外壁温度差が少なくなることで、結露の軽減にもつながります。
Q8.遮熱塗料と断熱塗料を併用することはできる?
A.基本的に単独で使用します。
遮熱塗料は反射性能、断熱塗料は塗膜の構造が重要なため、
両方を同時に使う設計にはなっていません。
Q9.普通の塗料より価格は高い?
A.一般塗料より 1.2〜2倍ほど高くなることがあります。
ただし、その分以下のメリットがあります:
- エアコン代の削減
- 快適性の向上
- 建物の寿命延長
- 暑さ・寒さのストレス軽減
長期的にはメリットが大きい塗料です。
Q10.どんな家でも遮熱・断熱塗料は効果があるの?
A.日当たり・断熱材・屋根形状などにより効果は変動します。
特に効果を感じやすいのは:
- 南向きの家
- 日当たりが強い地域
- 最上階が暑い家
- 屋根が黒系
- 断熱材が薄い中古住宅
効果の出やすさには個体差があります。