屋根塗装の費用と単価ズバリ解説|見積もり前に知るべき全知識
2025.10.27更新
屋根塗装は決して安い買い物ではありません。
だからこそ、費用や工事内容について正確な知識を持ち、納得のいくリフォームを実現することが大切です。
近年では、単に塗装するだけでなく、棟板金(むねばんきん)の交換や換気棟(かんきむね)の設置まで含めて考えるのが新しい常識となりつつあります。
この記事では、専門家の視点から屋根塗装の費用相場、工事工程、そして見積もりのチェックポイントまで、詳細に解説していきます。
1.屋根塗装の工事工程|一般的な工程と推奨される工程

屋根塗装の工程には、建物を長持ちさせるための重要な手順が含まれています。
一般的な工程と、より長期的な安心を見据えた推奨工程を比較してみましょう。
▼一般的な屋根塗装の工事工程
- 足場組立・飛散防止ネット設置
- 高圧洗浄
- 下地処理(ひび割れ補修など)
- 板金部分の塗装(ケレン・錆止め)
- 下塗り
- 縁切り(タスペーサー設置)
- 中塗り
- 上塗り
- 最終確認・足場解体
▼推奨される最新の屋根塗装の工事工程
- 足場組立・飛散防止ネット設置
- 【推奨】棟板金交換
- 【推奨】換気棟取り付け
- 高圧洗浄
- 下地処理(ひび割れ補修など)
- 下塗り
- 縁切り(タスペーサー設置)
- 中塗り
- 上塗り
- 最終確認・足場解体
推奨工程では、塗装の前に「棟板金交換」と「換気棟取り付け」が含まれます。
近年、大型台風の増加などにより、塗装後に棟板金が剥がれてしまい、再度足場を組んで修理するケースが後を絶ちません。
足場を組むこの機会に、屋根の弱点となりやすい部分をまとめてメンテナンスすることが、結果的にコストを抑え、住まいの寿命を延ばすことに繋がるのです。
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棟板金(むねばんきん)とは?

棟板金は、屋根の頂上部分(棟)に被せられた金属製の板です。
この板金を固定している内部の下地木材(貫板)は、経年で腐食しやすく、釘の固定力を失います。
一度緩んだ釘を打ち直しても、腐食した下地ではすぐにまた抜けてしまうため、根本的な解決にはなりません。
築15年前後で不具合が出始めることが多く、塗装メンテナンスと同時に下地ごと交換することが強く推奨されます。
換気棟(かんきむね)とは?

換気棟は、屋根裏にこもる熱気や湿気を外部へ排出するための換気部材です。
暖かく湿った空気は上昇する性質があるため、屋根の頂部に設置することで効率的に換気が行われます。
これにより、夏場の室内温度上昇を緩和し快適性を高めるだけでなく、結露による屋根下地の腐食を防ぎ、建物の耐久性を向上させる重要な役割を果たします。
近年の新築住宅では標準的に設置されていますが、築15年以上の住宅には付いていないことが多いため、塗装時の追加設置がおすすめです。
【塗料・工事別】屋根塗装の単価・費用相場
| 工事項目 | 単価の目安(税抜) | 備考 |
| 足場組立 | 750円~1,000円/㎡ | 飛散防止ネット含む。急勾配の屋根は別途費用がかかる場合がある。 |
| 高圧洗浄 | 200円~400円/㎡ | コケや汚れの状態で変動する。 |
| 棟板金交換 | 4,000円~6,000円/m | 下地の種類(木材、樹脂、金属)によって変動する。 |
| 換気棟設置 | 25,000円~35,000円/箇所 | 製品の種類によって変動する。 |
| 下塗り | 700円~1,200円/㎡ | 屋根材の種類や状態に合った下塗り材を選定。 |
| 縁切り | 300円~500円/㎡ | スレート屋根で雨漏りを防ぐために必須の作業。 |
▼中塗り・上塗り塗料の単価目安
| 塗料の種類 | 単価の目安(円/㎡) | 期待耐用年数 |
| ウレタン | 1,800~2,200 | 5~7年 |
| シリコン | 2,300~3,000 | 8~12年 |
| ラジカル | 2,500~3,200 | 10~15年 |
| フッ素 | 3,500~4,500 | 15~20年 |
| 無機 | 4,000~5,000 | 20年以上 |
| 遮熱塗料 | 2,800~4,200 | 10~18年 |
2.屋根塗装の見積書モデルケース

【建物情報】
- 建物:2階建て
- 屋根面積:80㎡
- 屋根材:スレート
【工事内容】
- 塗料:ラジカル制御形塗料
- 付帯工事:棟板金交換(15m)、換気棟設置(1箇所)
| 項目 | 数量 | 単価(円) | 金額(円) |
| 足場工事 | 200㎡ | 800 | 160,000 |
| 高圧洗浄 | 80㎡ | 300 | 24,000 |
| 下塗り | 80㎡ | 900 | 72,000 |
| 中塗り | 80㎡ | 1,200 | 96,000 |
| 上塗り | 80㎡ | 1,200 | 96,000 |
| 縁切り | 80㎡ | 400 | 32,000 |
| 棟板金交換 | 15m | 4,500 | 67,500 |
| 換気棟設置 | 1箇所 | 30,000 | 30,000 |
| 諸経費 | 1式 | – | 30,000 |
| 小計 | 607,500 | ||
| 消費税(10%) | 60,750 | ||
| 合計金額 | 668,250 |
※上記はあくまで一例です。建物の形状や劣化状況により変動します。
3.他の屋根リフォーム方法との費用比較
屋根材自体の寿命が近づいている場合、塗装ではなく「カバー工法」や「葺き替え」が適していることもあります。
- 屋根カバー工法:既存の屋根の上に新しい防水シートと屋根材を被せる工法。
- 屋根葺き替え:既存の屋根をすべて撤去し、下地から新しく作り直す工法。
他の屋根リフォーム方法との費用比較
| 工事内容 | 費用目安(80㎡) | 塗装との差額 |
| 屋根塗装(シリコン) | 約50万円 | – |
| カバー工法(ガルバリウム鋼板) | 約90万円 | +40万円 |
| 葺き替え(ガルバリウム鋼板) | 約130万円 | +80万円 |
屋根材の耐用年数(スレート:約20~30年、ガルバリウム鋼板:約25~35年)を考慮し、最適なリフォーム方法を選択することが重要です。

4.屋根塗装の費用を抑える3つの方法
①自治体の助成金・補助金を活用する

お住まいの市区町村によっては、省エネリフォーム(遮熱塗装など)を対象とした助成金制度があります。
事前に確認してみましょう。
②火災保険の適用を検討する

台風や強風、雪などの自然災害による棟板金の浮きや屋根材の破損は、火災保険の補償対象となる場合があります。
心当たりがあれば保険会社に相談しましょう。
③相見積もりを取る

2社以上の業者から見積もりを取り、内容と価格を比較検討することが適正価格を知る上で不可欠です。
そもそも屋根塗装は本当に必要か?

すべての屋根に塗装が必要なわけではありません。
特に金属屋根はサビを防ぐために定期的な塗装が必須ですが、スレート屋根やセメント瓦の塗装は「美観の維持」が主な目的です。
また、1990年代後半~2000年代前半に製造されたノンアスベストのスレート屋根(パミール、コロニアルNEOなど)は、塗装すると逆に屋根材を傷める可能性があるため注意が必要です。
まとめ:福岡の屋根塗装は「建物を知り尽くすプロ」への相談が成功の鍵
屋根塗装は、ただ塗料を塗るだけのシンプルな工事ではありません。
屋根材の種類、劣化状況、そして棟板金や換気棟といった重要な部材の状態まで、総合的に診断して最適なプランを立てる必要があります。
私たちトラストホームは、塗装の知識はもちろん、建物全体の構造を熟知した「プロの提案力」が強みです。
福岡の気候を理解し、年間100件以上の施工実績で培った知見を基に、お客様の大切なご自宅を丁寧に診断。
塗装が本当に最適なのか、カバー工法なども含めた長期的な視点で、ご納得いただけるプランをご提案します。
また、中間マージンなどの余分なコストを徹底的に排除し、熟練の自社職人が一貫して施工することで、高品質な工事を適正価格でご提供できるのも、トラストホームが選ばれる理由です。
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専門家が責任を持って、お客様の不安や疑問にお答えします。