ガルバリウム鋼板の外壁で後悔しないための全知識|費用・デメリット・選び方
2025.10.26更新
近年、金属製の外壁材であるガルバリウム鋼板が人気を集めています。
かつての金属サイディングはトタンが主流でした。
ガルバリウム鋼板はトタンに比べて錆びにくく、格段に高い耐久性を誇ります。
金属特有のシャープでモダンな質感が評価され、新築の注文住宅で採用される機会が増加しています。リフォーム分野においてもその需要は高く、既存の外壁の上から施工するカバー工法で広く用いられています。
戸建て住宅の外壁材シェアでは、窯業系サイディングに次いで第2位の地位を確立しています。
ただし、2022年頃から価格が上昇傾向にあり、現在は比較的高価な外壁材の一つとされています。
1.金属サイディング素材の種類と比較
金属サイディングにはいくつかの種類があり、それぞれ耐久性が異なります。
- ガルバリウム鋼板:耐用年数 25年〜30年
- エスジーエル鋼板:耐用年数 25年〜35年
- アルミ:耐用年数 30年〜40年
- トタン:耐用年数 15年〜25年
2.ガルバリウム鋼板外壁の主要メーカー
国内には複数のガルバリウム鋼板外壁メーカーが存在します。
ここでは代表的なメーカーの特徴を、専門工事会社の視点から解説します。
メーカーごとにデザインや機能性に特色があり、深く知ることで最適な製品選びが可能になります。
アイジー工業株式会社

国内トップシェアを誇る金属サイディングメーカーです。
「SF-ビレクト」や「ガルスパン」といった豊富な製品ラインナップが魅力です。
毎年のように先進的なデザインの新商品を市場に投入しています。
断熱材には燃えにくいイソヌレートフォームを全商品で採用しています。
施工品質を保つための部材や納まりへの配慮が手厚く、信頼性の高いメーカーです。
ニチハ株式会社

窯業系サイディングで業界最大手のメーカーとしても知られています。
ガルバリウム鋼板外壁においても、コストパフォーマンスに優れた製品を多数展開しています。
デザインのバリエーションが豊富で、幅広いニーズに対応可能です。
断熱材の厚みは業界最厚クラスの18mmを誇ります。
安定した物流網を持ち、製品の調達がしやすい点も施工会社にとって大きな利点です。
旭トステム外装株式会社(AT-WALL)

LIXILグループに属し、独自の技術やデザインで注目されるメーカーです。
ガルバリウム鋼板の耐久性をさらに高めた「エスジーエル鋼板」を積極的に採用しています。
本物の木材と見間違えるほどリアルな木目調デザインは特に評価が高いです。
耐候性に優れた塗膜や、耐震性を高める独自のカバー工法など、他社にはない強みを持っています。
ケイミュー株式会社(KMEW)

パナソニックとクボタが出資する外装材メーカーです。
屋根材の「コロニアル」が有名ですが、金属サイディングも高品質な製品を揃えています。
特に遮熱性フッ素鋼板を用いた商品のラインナップが充実しています。
色あせに強く、長期間にわたって美しい外観を維持したい場合に最適な選択肢となります。
3.ガルバリウム鋼板の外壁工事価格【福岡・トラストホームの場合】

人気の高まっているガルバリウム鋼板ですが、「実際に工事をするといくらかかるの?」という費用面は、お客様にとって最も気になるポイントかと思います。
ここでは、新築時とリフォーム時、それぞれのケースにおけるガルバリウム鋼板の工事価格の目安と、その内訳について詳しく解説します。
新築時の工事価格【他の外壁材との比較】
新築の場合、ガルバリウム鋼板の工事価格は、最も普及している窯業サイディングの約1.2倍程度が目安となります。
一方で、手間のかかる塗り壁(モルタル)やALCと比較すると、割安になる傾向があります。
【新築時の外壁材別 工事価格の目安(30坪程度の住宅)】
| 外壁材の種類 | 価格帯の目安 |
| 窯業サイディング | 90万円~140万円 |
| ガルバリウム鋼板 | 110万円~170万円 |
| モルタル外壁 | 120万円~180万円 |
| ALC | 140万円~190万円 |
【💡トラストホームのプロ視点】
| 初期費用だけを見ると、ガルバリウム鋼板は窯業サイディングより高価です。しかし、ガルバリウム鋼板は耐久性が高く、将来的な塗装メンテナンスの回数を減らせる可能性があります。私たちは、目先の価格だけでなく、30年以上の長期的な視点での【トータルコスト】を考慮し、お客様にとって最も賢明な選択肢をご提案します。 |
費用の内訳(1㎡あたり)
外壁工事の費用は、サイディング本体の材料費だけでなく、下地材(胴縁など)、防水シート、役物(コーナー部材など)、そして職人の施工費など、様々な要素で構成されます。
【ガルバリウム鋼板工事 1㎡あたりの費用内訳目安】
| 費用項目 | 目安単価(円/㎡) |
| ガルバリウム鋼板 材料費 | 4,000円~7,000円 |
| 職人 施工費 | 3,000円~ |
| 下地材・防水シート・役物部材など | 3,000円~ |
| 合計 | 10,000円~15,000円 |
【💡トラストホームのプロ視点】
| 私たちトラストホームは、職人直営の専門工事会社です。下請け業者を使わないため、中間マージンが一切発生しません。 そのため、同じ品質の工事でも、ハウスメーカーや大手リフォーム会社に比べて、より正直な【適正価格】でご提供することが可能です。 |
リフォーム時の工事価格【塗装・カバー工法・張り替えの比較】
リフォームの場合、既存の外壁の状態確認や補修、場合によっては撤去費用などが加わるため、新築時よりも工事価格は割高になります。
ガルバリウム鋼板は非常に軽量であるため、既存の外壁の上から重ね張りする「カバー工法」で採用されるのが最も一般的です。
【リフォーム工法別 工事価格の目安(30坪程度の住宅・足場代込)】
| リフォーム工法 | 価格帯の目安 |
| 外壁塗装 | 80万円~130万円 |
| ガルバリウム鋼板(カバー工法) | 170万円~220万円 |
| ガルバリウム鋼板(張り替え) | 250万円~ |
【💡トラストホームのプロ視点】
| かつては「塗装2回分の費用でカバー工法ができる」と言われましたが、近年の材料費高騰により、現在は「塗装2.5回分」程度の費用が相場となっています。 しかし、カバー工法には、塗装では得られない断熱性の向上やデザインの一新、30年以上の長期耐久性といった大きなメリットがあります。 私たちは、お客様の建物の状態と将来計画を考慮し、塗装を繰り返すのが良いか、一度のカバー工法で長期的な安心を得るのが良いか、プロとして最適な選択肢をご提案します。 |
正確な費用は、無料診断とお見積りで
上記でご紹介した価格は、あくまで一般的な目安です。
お客様のお住まいの形状、大きさ、劣化状況によって、費用は大きく変動します。 私たちトラストホームは、まず無料の建物診断でお住まいの状態を正確に把握し、お客様のご要望をじっくりお伺いした上で、詳細なお見積りをご提出いたします。
正直な価格と、プロならではの最適なご提案をお約束しますので、まずはお気軽にご相談ください。
4.ガルバリウム鋼板のメリットとデメリット
*メリット
1.軽量で耐震性が高い
ガルバリウム鋼板は、モルタルや窯業サイディングに比べて非常に軽い素材です。
建物の総重量が軽くなることで、地震発生時の揺れによる負荷を軽減できます。
素材自体が割れる心配もないため、地震に強い外壁材と言えます。
2.メンテナンスの手間が少ない
ガルバリウム鋼板はトタンより錆びにくく、高い耐久性を持ちます。 また、窯業サイディングのように板間のシーリングが露出する箇所が少ないのも特徴です。 フッ素塗料が施された製品を選べば、塗り替えの頻度を大幅に減らすことができます。 結果として、長期的なメンテナンスコストを抑制することにつながります。
3.モダンでおしゃれなデザイン
人気の最大の理由は、その優れたデザイン性にあります。
シンプルでスタイリッシュな外観は、現代の住宅デザインの潮流に合っています。
黒やグレーといったモノトーンカラーが特に人気で、洗練された高級感を演出できます。
4.断熱性が高い
多くの製品は断熱材と一体化して製造されています。
これにより、外壁の熱貫流率が低く抑えられ、外気の熱が室内に伝わりにくくなります。
特に夏の厳しい暑さを和らげる効果が期待でき、冷房効率の向上にも貢献します。
5.凍害に強い
金属製であるため水分を吸収しません。
そのため、寒冷地で起こりやすい外壁材が吸った水分が凍結してひび割れを起こす「凍害」の心配がありません。
凍害に弱い窯業サイディングからのリフォームにも適しています。
| 外壁・屋根の状態、ご予算に応じた 適切な工事をご提案いたします。 福岡で外装についてお悩みがありましたらお気軽にご相談ください。 フリーダイヤル:0120-52-1124 年中無休(9:00-19:00) ✉️ お問い合わせ・無料診断のお申し込みはこちら (24時間受付) |
*デメリット
1.傷がつきやすく凹みやすい
表面が薄い金属でできているため、硬いものが当たると傷や凹みが生じやすいです。
特にシンプルな単色デザインの製品は、細かな傷でも目立ちやすい傾向があります。
物が当たりやすい1階部分への使用は注意が必要です。
2.専門的な施工技術が必要
ガルバリウム鋼板の施工は、建築板金工と呼ばれる専門職人が行います。
特殊な技術を持つ職人の数が限られているため、施工費用が割高になる傾向があります。
施工できる業者が限られる点もデメリットと言えるでしょう。

5.劣化の進行とメンテナンス
錆びの進行について
ガルバリウム鋼板は錆びにくいですが、全く錆びないわけではありません。
経年により「白錆び」が発生し、それが進行すると「赤錆び」へと変化します。
多くの場合、白錆びの段階で進行は留まり、トタンのように錆が広がっていくことは稀です。
ただし、施工時に適切な処理がされていないと、局部的に錆が進行し穴が開くこともあります。
錆びやすい箇所と環境
築20年を超えると、部分的に劣化が見られるようになります。
特に雨が直接当たらない軒下やバルコニーの下は、埃や汚れが溜まりやすく錆びの起点となりがちです。釘を打った周辺や、外壁材の切断面も水分が滞留しやすいため注意が必要です。
潮風に当たる沿岸地域や、工場の排気ガスが多いエリアも劣化が早まる傾向があります。
点検と清掃の方法
年に1回程度、外壁全体の汚れを水で洗い流すことを推奨します。
特に雨が当たらない箇所は、ホースなどで水をかけて汚れを定期的に落としましょう。
頑固な汚れは、柔らかいスポンジと中性洗剤を使って優しく洗浄してください。
施工後5年を経過したら、2〜3年に一度は専門家による点検を受けると安心です。
6.保証制度について

メーカー保証
製品そのものの品質に対して、製造メーカーが提供する保証です。
塗膜の色あせや変色、錆による穴あきなどが保証対象となります。
保証期間は製品のグレードによって異なり、フッ素塗膜やエスジーエル鋼板を採用した高耐久製品ほど長くなります。
工事保証
これは、私たちトラストホームが行った施工の品質に対して、当社が独自に設けている保証です。
・保証期間
トラストホームでは、工事完了後に「最長10年間の品質保証書」を発行しております。
施工に自信があるからこその長期保証で、お客様の安心を末永くお守りします。
・保証内容
当社の施工に起因する不具合、例えば、施工後の雨漏りや、サイディング材の明らかな剥がれ、反りなどが対象となります。
7.デザインと施工のポイント


張り方の選び方
ガルバリウム鋼板には、縦方向に張る「縦張り」と横方向に張る「横張り」があります。
縦張りの場合は下地を横方向に、横張りの場合は下地を縦方向に取り付けます。
機能面では、下地が縦方向になる横張りの方が、壁内の通気性を確保しやすく雨漏りリスクも低いとされています。
ただし、デザインの好みや建物の形状に合わせて選ぶのが一般的です。
色選びのポイント
シンプルモダンなデザインには、ネイビー、ダークグリーン、グレー、ブラックといった落ち着いた色がよく合います。
暗い色は熱を吸収しやすいですが、断熱材一体型の製品であれば室温への影響は限定的です。
外壁の色による遮熱効果を過度に気にするよりは、全体のバランスや好みを優先して選ぶことをお勧めします。
おしゃれに見せる工夫
外壁の角の部分を「段出隅」という部材にすると、陰影が生まれて立体感のある仕上がりになります。
通常3〜4mで生じる外壁の継ぎ目をなくせる「長尺製品」を選ぶと、すっきりとした美しい外観が実現できます。
無機質な印象を和らげるため、玄関ドアや軒天などに木目調のデザインを取り入れるのも効果的です。
8.外壁工事会社の選び方

建築板金工事会社への直接依頼がおすすめ
ガルバリウム鋼板の工事は、専門である建築板金工事会社へ直接依頼するのが最善です。
ハウスメーカーやリフォーム会社を介すと中間マージンが発生し、費用が2〜3割高くなることがあります。
専門家から直接アドバイスを受けられ、トラブル時の対応も迅速です。
必ず複数社から見積もりを取る
工事会社によって、提案内容や得意なメーカー、費用は大きく異なります。
必ず2〜3社から相見積もりを取り、内容をじっくり比較検討してください。
価格だけでなく、担当者の知識や提案力、保証内容なども含めて総合的に判断することが重要です。
9.まとめ
ガルバリウム鋼板は、現代の住宅に適した多くの魅力を持つ外壁材です。
その最大の長所は、シャープでモダンなデザイン性と、錆びにくく長持ちする高い耐久性にあります。
軽量であるため建物の耐震性を高め、断熱性や凍害への強さも兼ね備えています。
また、塗り替えなどのメンテナンス頻度を減らせるため、長期的な視点で見れば維持管理コストを抑えられる経済的な選択肢とも言えます。
一方で、表面が傷や凹みに弱いという性質や、専門的な施工技術が必要なため初期費用が割高になるという側面も理解しておく必要があります。
もしあなたが、初期費用をかけてでもデザイン性や長期的なコストパフォーマンスを重視するなら、ガルバリウム鋼板は非常に満足度の高い選択となるでしょう。
逆に、初期費用を抑えたい方や、塗り壁のような温かみのある質感を求める方には、他の外壁材が適しているかもしれません。
後悔しない外壁選びの鍵は、これらのメリットとデメリットを十分に比較し、ご自身の価値観やライフプランに合っているかを見極めることです。