【全手順を徹底解説】金属サイディングのカバー工法|工事期間から流れまで

2025.10.27更新

【全手順を徹底解説】金属サイディングのカバー工法|工事期間から流れまで
目 次

    住まいの外観を美しく保ち、建物を風雨や紫外線から守る外壁は、定期的なメンテナンスが不可欠です。 外壁リフォームには様々な選択肢があり、それぞれに特徴とメリットがあります。
    その中でも近年、機能性とデザイン性の高さから注目されているのが金属サイディングを用いたカバー工法です。
    これは既存の外壁を撤去せず、その上から新しい金属サイディングを重ね張りするリフォーム手法を指します。 外壁を一度解体する「張り替え」に比べて、工期を短縮でき費用も抑えられる点が大きな魅力です。
    この記事では、金属サイディングのカバー工法について、他の工法との比較、具体的な工事日数、そして詳細な施工手順を専門家の視点から分かりやすく解説します。
    福岡エリアで外壁リフォームを検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

    1.外壁リフォーム3大工法の徹底比較

    まず、ご自宅の外壁リフォームを考える上で基本となる3つの工法、「塗装」「張り替え」「カバー工法」の違いを理解しましょう。
    それぞれの特徴を知ることで、なぜカバー工法が選ばれるのかが明確になります。


    項目塗装張り替えカバー工法(金属サイディング)
    工事内容既存の外壁に塗料を塗り重ねる既存の外壁を解体・撤去し、新しい外壁材を張る既存の外壁の上に、新しい外壁材を重ね張りする
    費用相場比較的安い(60万円~)高い(180万円~)中間(150万円~)
    工期短い(約1~2週間)長い(約3週間~1.5ヶ月)中間(約2~3週間)
    断熱性変化なし(遮熱塗料で多少改善)断熱材の追加で大幅向上可能大幅に向上(外壁二重構造+断熱材)
    耐久性塗料のグレードに依存(約10~20年)外壁材に依存(約30年以上)外壁材に依存(約30年以上)
    デザイン性色の変更が主素材から一新できる素材から一新できる
    備考外壁材自体の劣化が軽微な場合に有効外壁の下地まで劣化している場合に最適下地の状態が比較的良い場合に有効

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    2.金属サイディングカバー工法のメリット・デメリット

    カバー工法は多くの利点を持つ一方で、注意すべき点も存在します。
    メリットとデメリットの両方を把握し、ご自宅にとって最適な選択かをご判断ください。

    【メリット】【デメリット】
    断熱性・遮音性が大幅に向上する下地の根本的な補修はできない
    工期が短く、住みながら工事が可能既存外壁の劣化が激しいと施工できない
    廃材が少なく、解体費用がかからない外壁が少し厚くなり、重量が増加する
    デザインを一新し、新築同様の外観に初期費用は塗装よりも高くなる
    耐久性が高く、メンテナンス周期が長い複雑な形状の建物には不向きな場合がある

    外壁・屋根の状態、ご予算に応じた
    適切な工事をご提案いたします。
    福岡で外装についてお悩みがありましたらお気軽にご相談ください。
    フリーダイヤル:0120-52-1124 年中無休(9:00-19:00)
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    3.金属サイディングカバー工法の基本情報

    カバー工法の概要を掴んだところで、さらに具体的な計画を立てるための基本情報を見ていきましょう。

    工事期間の目安

    建物の大きさや形状、そして天候によって工事期間は変動します。
    特に、屋根工事も同時に行うか否かで大きく変わるため、事前に計画を立てることが重要です。
    一つの目安として、30坪程度の一般的な戸建て住宅を例に挙げますと、外壁のカバー工法だけを行う場合の工事期間は、だいたい2週間から3週間程度です。
    これに加えて屋根のカバー工法なども同時に進める場合には、作業範囲が広がるため、工期は全体で約1ヶ月が目安となります。

    外壁リフォームでは高所作業のために足場を設置します。
    この足場は、一度設置するだけで20万円前後の費用がかかるのが一般的です。
    そのため、将来的に屋根のメンテナンスも考えている場合は、外壁と同時に工事を行うことで足場代を一度で済ませられ、結果的に総費用を抑えることができます。
    ただし、梅雨や台風の時期は雨で作業が中断し、予定より工期が延びる可能性があることも考慮に入れておきましょう。

    必要な専門職人の技術

    金属サイディングのカバー工法は、複数の専門技術を結集させる工事です。
    主に「板金職人」と「塗装職人」という二つの専門家が、それぞれの技術を活かして作業を進めます。

    板金職人は、金属サイディング本体や役物(やくもの)と呼ばれる金属部材の加工・取り付けを担う金属加工のプロフェッショナルです。
    現場で建物の寸法に合わせて金属板を正確に裁断し、歪みなく取り付けていく作業には、ミリ単位の精度が求められます。

    一方、塗装職人は、サイディングでは覆いきれない細かい部分の塗装を担当します。
    軒天(のきてん)や破風板(はふいた)、庇(ひさし)といった付帯部を、外壁の色合いに合わせて美しく仕上げていきます。
    質の高いリフォームを実現するには、これら両方の職人の高い技術力と、両者間のスムーズな連携が不可欠です。
    トラストホームでは、経験豊富な自社の板金職人と塗装職人が責任を持って施工にあたるため、高品質な仕上がりをお約束できます。

    4.金属サイディングカバー工法の詳細な施工手順

    ここからは、実際の工事がどのような流れで進むのかを、ステップごとに詳しく解説していきます。

    ステップ1:工事前の入念な現地調査

    すべての工事は、お客様の大切な建物を正確に診断することから始まります。
    専門の診断士がご自宅へお伺いし、外壁の現在の状態を細かくチェックします。
    ひび割れの幅や深さ、シーリングの硬化や破断の具合、手で触った際に粉が付くチョーキング現象の有無などをプロの目で診断します。

    特に1990年代に建てられた住宅では、壁の内部に空気の通り道がない「直張り工法」でサイディングが施工されているケースが多く見られます。
    このような外壁は内部結露などの問題を抱えている可能性が高く、通気層を新たに作ることができるカバー工法が最適な解決策となることが多いです。
    雨どいや換気フード、給湯器といった付帯物の位置や状態も、この段階でしっかりと確認し、最適な施工プランをご提案します。

    ステップ2:足場の設置と飛散防止ネットの施工

    工事の契約が完了し、工事開始日を迎えると、まずは建物の周囲に足場を組み立てる作業からスタートします。
    これは、職人が高所で安全かつ効率的に作業を行うための土台となる、非常に重要な工程です。
    足場の組み立てと同時に、塗料やホコリ、資材の破片などが近隣に飛散するのを防ぐためのメッシュシート(飛散防止ネット)で建物全体を覆います。
    近隣住民の方々への配慮も、プロの仕事の大切な一部です。
    この作業は通常、朝から始まり、夕方までには完了します。

    ステップ3:先行工事としての付帯部塗装

    金属サイディング本体を張る前に、付帯部の塗装作業を先に行います。
    軒天(屋根の裏側の天井部分)、破風板(屋根の側面に取り付けられた板)、庇(窓や玄関の上にある小さな屋根)などが主な対象です。
    なぜ先に行うかというと、新しいサイディングを張った後で塗装をすると、塗料が新しい外壁に付着して汚してしまう恐れがあるからです。
    この段階で塗装を済ませておくことで、養生の手間を省き、効率的で美しい仕上がりを実現できます。
    既存の外壁に多少塗料がはみ出しても、後ほどサイディングで完全に隠れてしまうため問題ありません。

    ステップ4:胴縁(どうぶち)の取り付け

    塗装作業が完了すると、いよいよ板金職人による本格的な作業が始まります。
    最初に胴縁と呼ばれる木材や、より耐久性の高い樹脂製の細長い下地材を既存の外壁に沿って一定間隔で垂直に取り付けていきます。
    胴縁は建物の寿命を左右すると言っても過言ではない、極めて重要な役割を担っています。
    胴縁を取り付けることで、既存の外壁と新しい金属サイディングの間に、意図的に15mm~20mm程度の空気の層(通気層)が生まれます。
    この通気層が、壁の内部に入り込んだ湿気を外部に排出し、壁内部の結露を防ぎ、結果として建物の構造材が腐食するのを防ぎ、断熱効果や遮音効果の向上にも繋がり、より快適で長持ちする住環境が実現するのです。

    ステップ5:役物(やくもの)の取り付け

    胴縁の設置が終わったら、サイディング本体を張る前に「役物」と呼ばれる各種部材を取り付けていきます。
    役物とは、窓の周りや建物の角、外壁の継ぎ目といった端部に設置する、いわば「見切り材」のような役割を持つ金物部材です。
    具体的には、サイディングを張り始める一番下の部分に取り付ける「スターター」や、窓まわりを囲む「見切縁」などがあります。
    これらを先に取り付けておくことで、サイディングの切断面をきれいに納め、雨水の浸入を確実に防ぎ、防水性を高めることができます。

    ステップ6:金属サイディング本体の張り付け

    役物の設置が完了し、下準備がすべて整ったら、いよいよ金属サイディング本体を張っていく工程に入ります。
    サイディングは、胴縁に対して専用のビスで確実に固定していきます。
    築年数が経過した建物には、地震の影響や経年変化により、必ず多少の歪み(不陸)が生じています。
    この歪みを無視して張ると、サイディングが波打ったり、隙間ができたりする原因となります。

    そこで重要になるのが「不陸調整(ふりくちょうせい)」という作業です。
    職人は、薄い調整材を胴縁と外壁の間にかませるなどして、壁全体の歪みを補正しながら、表面が平滑になるよう仕上げていきます。

    ステップ7:仕上げの役物とシーリング処理

    サイディング本体を全面に張り終えたら、最後の仕上げとして、残りの役物を取り付けます。
    建物の角の部分(出隅)や、窓まわりなどを、サイディング本体と同じデザインの専用キャップで覆い、一体感のある美しい外観を作り上げます。
    これらの役物を取り付ける前には、防水性をさらに高めるために、内部でシーリング処理を施します。
    金属サイディングの多くは、このシーリングが外部に直接露出しない構造になっています。
    結果として、10年ごとのシーリング打ち替えといった定期的なメンテナンスがほぼ不要になり、長期的な維持コストを抑えることにも繋がります。

    ステップ8:付帯物の復旧と最終チェック

    最後に、工事の際に一度取り外しておいた雨どいや換気フード、エアコンの配管カバーなどを元通りに丁寧に取り付けます。
    すべての作業が完了したら、現場の責任者による厳格な品質チェックを行います。
    契約書や仕様書通りに施工されているか、外壁に傷や汚れ、部材の浮きなどがないか、プロの目で隅々まで厳しく確認します。
    問題がないことを確認した後、お客様にも立ち会いいただき、仕上がりをご確認いただきます。
    お客様にご納得いただけたら、足場を慎重に解体・撤去し、建物の周辺をきれいに清掃して、全ての工事が完了となります。

    まとめ

    金属サイディングのカバー工法は、単に古くなった外観を美しくするだけのリフォームではありません。
    既存の外壁の上に新しい壁を重ねることで、断熱性や遮音性といった住宅性能を向上させ、大切な住まいの資産価値を高めるための、非常に効果的な投資です。
    一つひとつの工程を、専門知識と高い技術力を持った職人が丁寧に行うことで、長期にわたって安心・快適に暮らせる住まいが実現します。
    外壁リフォームは、決して安い買い物ではありません。
    だからこそ、業者選びは慎重に行う必要があります。

    福岡で外装リフォームならトラストホームにおまかせください。
    私たちは、福岡という地域の気候風土を熟知した、外装リフォームの専門家集団です。
    経験豊富な自社職人が、ご相談から診断、施工、そしてアフターフォローまで一貫して責任を持ち、お客様の大切な住まいをお守りします。
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    どうぞお気軽にお問い合わせください。