金属サイディングのデメリットとは?後悔しないために知っておくべき全注意点

2025.10.27更新

金属サイディングのデメリットとは?後悔しないために知っておくべき全注意点
目 次

    近年、そのシャープなデザイン性と高い機能性から、外壁のリフォームや新築住宅で金属サイディングを選ぶ方が着実に増えています。
    実際に、外壁材市場における金属サイディングのシェアは年々拡大しており、多くの住宅で採用される人気の建材となりました。
    その背景には、デザインの多様化により、従来の金属的なイメージだけでなく温かみのある木目調や重厚な石積調なども表現できるようになったことや、メンテナンスに対する意識の高まりがあります。
    しかし、どんな建材にも必ず長所と短所があるように、金属サイディングにも知っておくべきデメリットが存在します。
    この記事では、金属サイディングで後悔しないための情報について解説します。

    1.なぜ人気?金属サイディングが持つ主なメリット

    ①優れた断熱性と防音性で快適な室内環境を実現

    「金属の外壁は夏暑く、冬寒いのでは?」というイメージがあるかもしれませんが、それは大きな誤解です。
    現在の主流である断熱材一体型の金属サイディングは、非常に高い断熱性能を発揮します。
    熱の伝わりやすさを示す「熱伝導率」を他の外壁材と比較すると、その差は歴然です。

    外壁材の種類熱伝導率 (W/m・K)特徴
    金属サイディング約0.026数値が低いほど断熱性が高い。窯業系やALCの5倍以上の断熱性。
    窯業サイディング約0.16標準的な性能。
    ALCパネル約0.17断熱性は高いが、金属サイディングには及ばない。

    ※数値は製品により異なります。

    さらに、既存の外壁の上から施工する「カバー工法」では、既存壁と新しい金属サイディングの間に「通気層(空気層)」が生まれます。
    この空気層がもう一つの断熱層として機能するため、「断熱材」と「空気層」の二重の効果で、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境の維持に貢献し、光熱費の削減にも繋がります。
    また、芯材となっている断熱材は音を吸収する吸音材としての役割も果たすため、車や電車の騒音、雨音といった外部からの音の侵入を和らげる高い防音性も期待できます。

    ②長期的な美観を保つ高いメンテナンス性

    ガルバリウム鋼板の外壁は、フッ素塗料などの高耐久塗装が施されており、色あせや劣化が起こりにくいのが特徴です。
    そのため、10〜15年ごとに必要な再塗装の時期を大幅に延ばすことができます。

    また、一般的な窯業サイディングのようにシーリング(継ぎ目の防水材)が多く使われていない点も大きな利点です。
    ガルバリウムの外壁は、部材をはめ合わせる構造(かん合)や役物で継ぎ目をカバーする設計になっているため、シーリングの劣化をほとんど心配する必要がありません。
    結果として、長期間美しさを維持しながら、メンテナンスの手間とコストを大幅に削減できるのがガルバリウムの魅力です。

    ③軽量で建物への負担が少ない優れた耐震性

    日本は地震大国であり、住宅の耐震性は非常に重要な要素です。
    金属サイディングは、他の主要な外壁材と比較して圧倒的に軽量です。
    その重量は、最も普及している窯業サイディングの約4分の1、モルタル壁の約10分の1しかありません。
    建物の重量は、重ければ重いほど地震の揺れによる負荷が大きくなります。
    外壁を軽量な金属サイディングにすることで、家全体の総重量を軽くし、地震発生時の揺れから受けるダメージを軽減できます。

    この特性は、既存の壁の上から新しい外壁を張る「カバー工法」においても大きなメリットとなります。重量のある外壁材では耐震性の観点からカバー工法が難しい場合でも、軽量な金属サイディングなら問題なく採用できるケースが多いです。

    ④凍害やひび割れの心配がない高い耐久性

    金属サイディングは、素材自体が水分をほとんど吸収しません。
    そのため、寒冷地で窯業サイディングなどに起こりやすい「凍害」の心配がありません。
    凍害とは、外壁材が吸った水分が凍結と融解を繰り返すことで、塗膜の剥がれや素材の破壊を引き起こす現象です。
    金属サイディングはこのリスクがなく、地域を問わず安定した品質を保ちます。

    また、金属ならではのしなやかさにより、地震の揺れや乾燥収縮による「ひび割れ(クラック)」も発生しません。
    一度施工すれば、長期間にわたって割れや欠けの心配なく安心して暮らすことができます。

    ⑤進化し続けるデザインの多様性

    かつて金属サイディングは「シンプルで工業的」というイメージが強く、デザインの選択肢が少ないとされていました。
    しかし、近年の製造技術、特にインクジェット塗装技術の進化は目覚ましく、本物の木材と見間違えるほどリアルな木目調や、重厚感のある石積調、スタイリッシュな塗り壁調など、多彩なデザインや繊細な色合いが表現できるようになっています。

    もちろん、余計な装飾を省いたモダンな住宅にマッチする、シャープな「スパン系」デザインも根強い人気を誇ります。
    デザイン性が向上したことで、あらゆるテイストの住宅に合わせることが可能になり、施主のこだわりを表現できる外壁材へと進化しています。

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    2.【要注意】契約前に知るべき金属サイディングのデメリット

    デメリット1:初期費用が比較的高価になる傾向

    金属サイディングを選ぶ際、多くの方が最初に直面する課題が初期費用の高さです。
    他の一般的な外壁材、特に広く普及している窯業系サイディングや、リフォームの選択肢となる外壁塗装と比較すると、初期投資は大きくなる傾向にあります。

    なぜ金属サイディングは高価なのか?

    その理由は、主に「材料そのものの価値」と「専門的な施工技術料」にあります。
    主原料であるガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板は、複数の金属でメッキ層を形成し、高い防錆性能を持たせた高機能な工業製品です。
    さらに、製品の多くは裏側に断熱材が充填されており、断熱性や遮音性といった付加価値も持ち合わせています。
    これらの高品質な材料費が、まず価格に反映されます。
    加えて、後述するように施工には専門的な板金技術が必要となるため、その技術料も工事費に含まれます。
    これらの要因が組み合わさり、他の外壁材よりも初期費用が高くなるのです。

    他の外壁材との費用比較

    外壁材の種類初期費用(m²単価)30坪住宅での総額目安特徴
    金属サイディング¥7,000~¥12,000¥140万~¥250万高耐久・軽量・断熱性。長期的なメンテナンスコストは低い。
    窯業サイディング¥5,000~¥9,000¥100万~¥180万デザイン豊富で最も普及。ただし定期的な塗装とシーリング補修が必須。
    ALCパネル¥8,000~¥13,000¥160万~¥260万断熱性・耐火性に優れるが重量がある。シーリングのメンテナンスが重要。
    モルタル左官¥6,000~¥10,000¥120万~¥200万継ぎ目がなくデザイン性が高い。ひび割れのリスクがあり、定期的な塗装が必要。
    外壁塗装(リフォーム)¥4,000~¥6,000¥80万~¥120万最も安価なメンテナンス方法。ただし10年~15年周期で再塗装が必要。

    ※上記はあくまで目安であり、使用する製品のグレードや施工条件によって変動します。

    デメリット2:施工できる業者が限られる

    金属サイディングの性能を100%引き出すためには、専門的な知識と高い技術を持った施工業者に依頼することが絶対条件となります。
    これが第二のデメリットであり、業者選びの難しさに繋がります。

    なぜ「専門業者」でなければならないのか?

    金属サイディングの施工は「板金工事」という専門分野に分類されます。
    金属サイディングは、一枚一枚を正確に採寸し、現場で加工しながら張り進めていきます。
    特に、建物の角や窓まわりに取り付ける「役物(やくもの)」と呼ばれる部材の加工と取り付けは、雨水の浸入を防ぐための最も重要な工程です。
    この部分の施工精度が低いと、どんなに良い材料を使っても数年で雨漏りを引き起こす原因となります。ミリ単位の精度で金属板を折り曲げ、水の流れを計算して隙間なく納める技術は、経験豊富な板金職人だからこそ成せる技なのです。

    信頼できる業者の見分け方

    専門性が高いからこそ、業者選びは慎重に行う必要があります。
    以下のチェックリストを参考に、信頼できる業者かどうかを判断してください。

    チェック項目確認するポイントなぜ重要か
    建設業許可の有無「板金工事業」の許可を取得しているか。国が定めた基準をクリアした、信頼性の高い業者である証明になります。
    金属サイディングの施工実績ホームページなどで具体的な施工事例を多数公開しているか。実績の多さは、経験とノウハウの豊富さに直結します。
    メーカーの認定・ID主要な金属サイディングメーカーの施工認定やIDを保有しているか。メーカーの定める正しい施工方法を熟知している証拠です。
    詳細な見積書「一式」ではなく、材料名・数量・単価・施工費などが詳細に記載されているか。透明性の高い見積書は、誠実な業者であることの判断材料になります。
    保証内容の説明製品自体の「メーカー保証」と、工事に対する「自社保証」の両方について明確な説明があるか。万が一の不具合が発生した際に、どこまで責任を持って対応してくれるかが分かります。

    デメリット3:強い衝撃で傷や凹みが生じる可能性がある

    金属サイディングは金属という素材の特性上、表面に傷がつきやすいという弱点を持っています。
    表面は非常に硬い塗膜でコーティングされていますが、それを貫通するような鋭利なものや強い衝撃には注意が必要です。

    傷や凹みが発生する具体的なシーン

    日常生活の中で、以下のような場合に傷や凹みが生じる可能性があります。

    ・自転車やバイクを倒してハンドル部分が当たってしまう。
    ・子供が硬いボールやおもちゃをぶつけてしまう。
    ・庭の手入れ中にスコップや鍬の先が当たってしまう。
    ・強風で飛ばされてきた小石や木の枝が衝突する。
    ・引越し作業中などに、はしごや重い家具を立てかける。

    デメリット4:条件下ではサビが発生するリスク

    劣化したガルバリウム

    金属サイディングの主材料であるガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛の合金メッキによって鉄の弱点である錆を防いでおり、非常に高い耐食性を誇ります。
    しかし、金属である以上「絶対に錆びない」わけではなく、特定の条件下では錆が発生するリスクがあります。

    サビが発生しやすい環境と原因

    傷からの「もらい錆」

    表面に深い傷がつくと、そこから雨水が浸入し、下地の鋼板が錆びてしまいます。
    これが最も一般的な錆の原因です。

    塩害地域

    海岸から2km以内など、潮風に常にさらされる地域では、塩分が金属を腐食させやすくなります。

    工業地帯や線路沿い

    工場からの排煙に含まれる化学物質や、線路から飛散する鉄粉が外壁に付着し、化学反応を起こして錆を誘発することがあります。

    雨がかかりにくい場所

    軒下やベランダの下など、雨水で汚れが洗い流されない場所は、埃や汚染物質が溜まりやすく、結露などの水分と反応して錆びる「電食」という現象が起きやすくなります。

    サビを防ぐためのメンテナンスと高耐食性製品

    サビのリスクを大幅に軽減するために、誰でも簡単にできる効果的なメンテナンスがあります。
    それは、年に1〜2回程度、ホースの真水で外壁全体の汚れを優しく洗い流すことです。
    これにより、表面に付着した塩分や汚染物質を取り除くことができ、錆の発生を効果的に予防できます。 ただし、高圧洗浄機の使用は塗膜を傷つける可能性があるため、水圧を弱めるか、メーカーの指示に従ってください。

    より高い耐食性を求めるのであれば、製品選びの段階で上位グレードのものを検討するのも一つの手です。

    金属サイディングの種類耐食性価格帯特徴
    ガルバリウム鋼板標準現在の主流。コストと性能のバランスが良い。
    SGL(エスジーエル)鋼板やや高いガルバリウムにマグネシウムを加え、耐食性を約3倍に高めた次世代鋼板。
    アルミサイディング高い非常に軽量で錆に強い。ただし、ガルバリウムに比べると強度はやや劣る。
    ステンレス鋼板非常に高い最高クラスの耐食性を誇るが、非常に高価で一般住宅での採用は稀。

    お住まいの地域の環境に合わせて、最適な素材を選ぶことが重要です。

    3.よくあるご質問(Q&A)

    今の外壁がモルタルですが、上から金属サイディングを施工できますか?

    はい、可能です。
    既存のモルタル壁の上に防水シートと胴縁(どうぶち)という下地木材を取り付け、その上から金属サイディングを張る「カバー工法」というリフォームが一般的です。
    既存壁を解体しないため、工期が短く、廃材が出ないため費用も抑えられるという大きなメリットがあります。
    ただし、モルタル壁の劣化が激しく、下地まで腐食しているような場合は、一度壁を剥がしてからの「張り替え」が必要になることもあります。

    金属サイディングの色選びで失敗しないためのポイントはありますか?

    失敗を防ぐためには、まずカタログの小さな色見本だけで決めないことです。
    室内と屋外では色の見え方が異なります。
    また、壁全体に張られると、サンプルで見た時よりも色が明るく見える「面積効果」という現象が起きます。
    イメージよりもワントーン暗めの色を選ぶと、仕上がりが想像に近くなります。

    施工中の騒音はどの程度ですか?ご近所への挨拶は必要ですか?

    ある程度の騒音は発生します。
    特に、金属サイディングを現場で切断する際の「キーン」という甲高い音や、下地を取り付ける際の電動工具の音が響きます。
    工事期間中は、朝8時頃から夕方5時頃まで作業音が続くことが想定されます。
    信頼できる業者であれば、工事開始前に必ず近隣住宅へ挨拶回りを行い、工事期間や注意事項について説明してくれます。
    加えて、施主様からも一言ご挨拶をしておくと、ご近所との関係がよりスムーズになり、トラブル防止に繋がります。

    保証期間は何年くらいが一般的ですか?保証内容で確認すべき点は?

    保証には「製品保証」と「工事保証」の2種類があります。
    製品保証はサイディングメーカーが製品に対して行うもので、塗膜の変色や剥がれ、穴あきなどに対して10年〜20年の保証が付くのが一般的です。
    一方、工事保証は施工業者が工事の品質に対して行う独自の保証で、期間は5年〜10年が目安です。
    重要なのは、保証の対象範囲をしっかり確認することです。
    例えば、「施工不備による雨漏り」が保証されるのか、「傷や凹み」は対象外なのかなど、書面で保証内容を明確にしてもらうことが大切です。

    部分的な張り替えや補修は可能ですか?費用はどれくらいかかりますか?

    はい、物理的には可能です。
    しかし、注意点がいくつかあります。
    第一に、同じデザイン・色の製品がすでに廃盤になっている可能性があります。
    製造から10年以上経過していると、後継品もなく入手が困難になるケースも少なくありません。
    第二に、部分的な張り替えであっても、高所作業の場合は足場の設置が必要になり、その費用(約15万〜25万円)が別途かかります。
    そのため、手の届く範囲の小さな補修でなければ、意外と費用が高額になることがあります。

    まとめ:福岡で質の高い外装リフォームをお考えなら

    これまで見てきたように、金属サイディングには多くのメリットがある一方で、専門的な知識がなければ見抜けないデメリットも存在します。
    初期費用、業者選び、傷や錆のリスクといった注意点を正しく理解し、信頼できるパートナーを選ぶことが、外装リフォームを成功させるための最も重要な鍵となります。

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