ガルバリウム鋼板の価格と工事費用|適正価格でリフォームする秘訣

2025.11.04更新

ガルバリウム鋼板の価格と工事費用|適正価格でリフォームする秘訣
目 次

    ガルバリウム鋼板は、薄い鋼板をアルミニウムと亜鉛の合金でめっきした建材です。
    耐久性やデザイン性の高さから、近年、戸建て住宅の屋根や外壁で非常に人気が高まっています。
    しかし、製品には安価な波板タイプから高機能な断熱材一体型まで様々な種類があり、どれを選べば良いのか、費用はいくらかかるのか分かりにくいと感じる方も多いでしょう。

    この記事では、ガルバリウム鋼板の価格が決まる仕組みから、具体的な製品ごとの単価、リフォーム全体の費用相場まで、専門家の視点から詳しく解説します。

    1.ガルバリウム鋼板の価格が決まる要因

    ガルバリウム鋼板を使ったリフォーム費用は、材料そのものの価格だけでなく、工事全体の価格を見ることが重要です。工事費用の総額は、大きく以下の3つの要素で構成されています。

    • ①建材価格(材料費):約25%
    • ②職人の工事費用(労務費):約35%
    • ③工事会社の諸経費や利益:約40%

    この中で「①建材価格」と「②労務費」は、ある程度の市場相場が決まっています。
    そのため、工事費用を大きく左右するのは「③工事会社の諸経費や利益」であり、つまり「どの会社に工事を依頼するか」が最も重要なポイントになります。

    例えば、ハウスメーカーや大手リフォーム会社に依頼すると、実際の工事は下請け業者が行うため、中間マージンが発生し費用が割高になる傾向があります。
    一方で、専門の工事会社に直接依頼すれば、余計なコストを削減でき、適正価格での施工が期待できます。

    依頼先工事価格専門性備考
    建築板金工事会社安い専門直接施工で中間マージンがない
    ハウスメーカー高い外注下請け業者へ発注するため中間マージンが発生
    工務店高い外注ケースによるが外注が多い
    訪問販売会社高い外注営業コストが多く、価格が高額になりがち


    業者を選ぶ際は、ホームページだけで判断せず、自社で職人を抱え、専門的な知識と技術を持つ会社かを見極めることが、賢いリフォームの第一歩です。

    ガルバリウム鋼板の製造・流通の流れ

    ガルバリウム鋼板は、まず鉄鋼メーカーが元となる鋼板を製造します。
    その後、建材メーカーがその鋼板を仕入れ、屋根材や外壁材として使えるようにデザインや機能性を加えて加工し、市場に供給するという流れになっています。

    • 主な鉄鋼メーカー:日本製鉄、JFEホールディングス、神戸製鋼所など
    • 主な建材メーカー:アイジー工業、ニチハ、ケイミュー、旭トステムなど

    2.他の屋根材や外壁材との価格差

    新築やリフォームで建材を選ぶ際、ガルバリウム鋼板が他の材料と比べてどのくらいの価格帯なのか気になる方も多いでしょう。
    ここでは、一般的な屋根材・外壁材との価格差の目安をご紹介します。

    ガルバリウム鋼板の屋根にすると価格はどの程度変わる?

    ガルバリウム鋼板屋根は、広く普及しているスレート屋根より少し高く、瓦屋根よりは安い価格帯に位置します。
    ただし、断熱材の有無や表面の加工によって価格は変動します。

    屋根材耐久性(目安)費用比較(アスファルトシングルを100万円とした場合)
    アスファルトシングル約20年100万円
    スレート屋根約25年110万円
    ガルバリウム鋼板(縦葺き)約30年125万円
    ガルバリウム鋼板(石粒付)約30年135万円
    ガルバリウム鋼板(断熱材付)約30年145万円
    瓦屋根約50年以上180万円


    ガルバリウム鋼板の外壁にすると価格はどの程度変わる?


    外壁の場合、最も一般的な窯業系サイディングと比較して、シンプルなガルバリウム鋼板は安価ですが、デザイン性の高い製品は高価になる傾向があります。

    外壁材耐久性(目安)費用比較(窯業サイディング15mmを200万円とした場合)
    ガルバリウム鋼板(縦張・断熱材無)約30年165万円
    窯業サイディング15mm約35年200万円
    ガルバリウム鋼板(横張・単色)約35年220万円
    ガルバリウム鋼板(縦張・単色)約35年250万円
    ALC約35年300万円
    タイル約40年以上400万円


    3.ガルバリウム鋼板の商品価格と工事単価

    ガルバリウム鋼板には様々な種類があり、それぞれ価格や特徴が異なります。
    ここでは代表的な4つのタイプについて、工事費用の内訳例とともに解説します。

    3-1.最も安価なガルバリウム鋼板(波板・角波)

    工場や倉庫、車庫などでよく見られる波型のガルバリウム鋼板です。
    材料費が1,500円/㎡前後と安価な点が特徴です。

    • 工事費用の目安(屋根60㎡の場合)
      • 材料費(波型ガルバ):約90,000円
      • 副資材(棟板金など):約80,000円
      • 請負工事費用(労務費込):約360,000円
      • 合計:約530,000円(税抜)

    3-2.断熱材一体型ガルバリウム鋼板

    鋼板の裏側に断熱材が貼り付けられており、高い断熱性と遮音性が期待できる製品です。
    現在の戸建て住宅リフォームでは主流となっており、夏は涼しく冬は暖かい快適な住環境を実現します。

    • 工事費用の目安(屋根60㎡の場合)
      • 材料費(断熱材一体型):約240,000円
      • 副資材:約150,000円
      • 請負工事費用(労務費込):約360,000円
      • 合計:約750,000円(税抜)
    • 工事費用の目安(外壁150㎡の場合)
      • 材料費(断熱材一体型):約600,000円
      • 副資材:約200,000円
      • 請負工事費用(労務費込):約900,000円
      • 合計:約1,700,000円(税抜)

    3.-3石粒付き金属屋根


    表面に天然石の粒をコーティングしたもので、洋風住宅に合うデザイン性の高さが魅力です。
    石粒が雨音を吸収するため、静音性にも優れています。

    • 工事費用の目安(屋根60㎡の場合)
      • 材料費(石粒付き):約210,000円
      • 副資材:約80,000円
      • 請負工事費用(労務費込):約360,000円
      • 合計:約650,000円(税抜)

    3-4.立平葺き屋根

    縦方向に葺き上げる屋根で、シンプルでモダンな印象を与えます。
    施工が比較的容易で工期が短く、コストを抑えられるため、近年の新築住宅で人気が高まっています。

    • 工事費用の目安(屋根60㎡の場合)
      • 材料費(立平葺き):約210,000円
      • 副資材:約80,000円
      • 請負工事費用(労務費込):約360,000円
      • 合計:約650,000円(税抜)

    4.屋根と外壁の張り方で価格は変わる

    ガルバリウム鋼板は、施工の向きによっても価格が変わります。
    これは施工の手間が異なるためです。

    • 屋根の場合
      • 縦葺き:屋根の流れに沿って葺くため施工しやすく、価格は安め。
      • 横葺き:横方向に葺いていくため手間がかかり、価格は高め。
    • 外壁の場合
      • 縦張り:部材の加工などに手間がかかり、価格は高め。
      • 横張り:施工性が良く、価格は安め。
    部位縦方向横方向
    屋根安い高い
    外壁高い安い

    5.ガルバリウム鋼板を用いたリフォーム費用

    ここでは、既存の屋根や外壁の上から新しい建材を被せる「カバー工法」リフォームの費用相場を、建物の種類別に紹介します。

    戸建て住宅のリフォーム相場(屋根80㎡、外壁150㎡と想定)

    • 屋根カバー工法
      • 断熱材一体型:約85万円~
      • 石粒付き金属屋根:約75万円~
      • 立平葺き:約70万円~
    • 外壁カバー工法
      • 断熱材一体型:約180万円~
      • 断熱材一体型(フッ素塗膜):約200万円~

    工場・倉庫の大規模改修相場(屋根200㎡、外壁350㎡と想定)

    • 屋根カバー工法
      • 折板屋根:約200万円~
      • 折板屋根(断熱材込):約230万円~
    • 外壁カバー工法
      • 角波ガルバ:約350万円~
      • 断熱材一体型:約400万円~

    6.よくある質問(FAQ)


    Q.ガルバリウム鋼板の塗膜はフッ素がおすすめですか?

    A.
    はい。
    フッ素塗膜は紫外線による色あせに非常に強く、長期間にわたって建物の美観を保ちます。
    初期費用は高くなりますが、塗り替え頻度を減らせるため、長期的なメンテナンスコストを抑えたい方におすすめです。

    Q.ガルバリウム鋼板の寿命はどのくらいですか?

    A.
    製品のグレードや立地環境にもよりますが、一般的に30年前後の耐久性が期待できます。
    適切な時期にメンテナンスを行うことで、さらに寿命を延ばすことも可能です。

    Q.ガルバリウム鋼板は錆びませんか?

    A.
    合金めっきの効果で非常に錆びにくい素材ですが、表面に深い傷がついたり、切断面をそのままにしたりすると、そこから錆が発生する可能性があります。
    万が一傷がついた場合は、早めに補修することが大切です。

    Q.他の金属屋根(ステンレスやアルミ)と比べてどう違いますか?

    A.
    ステンレスは耐久性が高いですが非常に高価です。
    アルミは軽量ですが材料費が高くなります。
    ガルバリウム鋼板は、耐久性と価格のバランスが最も良く、住宅リフォームにおいてコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えます。

    Q.断熱材一体型のガルバリウム鋼板は効果がありますか?

    A.
    はい、大きな効果が期待できます。
    特に夏の厳しい日差しを和らげ、室内の温度上昇を抑える効果があります。
    冷暖房効率の向上にも繋がり、省エネにも貢献します。

    Q.屋根と外壁を同時にリフォームすると割安になりますか?

    A.
    はい、割安になります。
    工事に必須の「足場」の設置費用(一般的に20万円前後)が一度で済むため、別々に工事を行うよりも総額を抑えることができます。

    まとめ

    ガルバリウム鋼板は、耐久性とコストパフォーマンスに優れた非常に魅力的な建材です。
    しかし、そのリフォーム費用は、どの製品を選ぶか以上に「どの業者に依頼するか」によって大きく変動します。

    後悔のないリフォームを実現するためには、以下のポイントを押さえて業者を選ぶことが重要です。

    • 中間マージンのかからない、職人直営の自社施工会社を選ぶ。
    • 地域に根ざし、その土地の気候や特性を熟知している会社を選ぶ。
    • 建物の状態を正確に診断し、最適なプランを提案できる専門知識を持った会社を選ぶ。

    福岡で外装リフォームをご検討の際は、ぜひ私たちトラストホームにご相談ください。
    トラストホームは、福岡の建物を知り尽くしたプロによる「自社施工」にこだわり、中間マージンを徹底的にカットした適正価格で高品質な工事をお届けします。
    お客様の大切な住まいを末永く守るため、最長10年の品質保証と万全のアフターフォロー体制で、安心のリフォームを実現いたします。