屋根用塗料の選び方|失敗しないための「性能」「耐久性」「相性」がすべてわかる

屋根用塗料の選び方|失敗しないための「性能」「耐久性」「相性」がすべてわかる
目 次

    屋根は、外壁以上に過酷な環境にさらされているため、塗料選びを間違えると寿命が極端に短くなったり、雨漏りにつながる重大なトラブルを引き起こすことがあります。

    しかし、お客様からいただく声はいつも同じです。

    「どの塗料が良いのか全然わからない…」
    「結局フッ素?シリコン?無機?何が違うの?」
    「ネットの情報がバラバラで混乱する」
    「屋根だけグレードを上げるべきって本当?」

    結論から伝えると、屋根塗装の塗料選びは「外壁と同じでOK」では絶対にありません。

    屋根塗料は、外壁塗料とは耐久性の基準も、劣化スピードも、塗料の相性も違うため、屋根専用としてしっかり選ぶ必要があります。

    本記事では、初めての方でも迷わず選べるように、屋根塗料の種類・劣化状況別の選び方・料金比較・メーカー解説・施工時の注意点まで、徹底的に解説します。

    目次

    第1章:なぜ屋根は“塗料選び”が重要なのか?

    ■ 理由① 外壁の3倍以上の紫外線を浴びている

    屋根は傾斜や角度の関係で、外壁の約2〜3倍の紫外線を浴びています。

    紫外線は建物の劣化原因の第1位。塗膜を破壊し、退色・剥がれ・ひび割れを引き起こします。

    だからこそ、屋根は外壁よりも強い塗料を選ぶ必要があります。

    ■ 理由② 雨・風・熱・雪のすべてを直接受ける

    屋根は建物の最前線で自然のダメージを受けています。

    ・台風の風圧
    ・豪雨
    ・夏場の60℃を超える表面温度
    ・朝夕の温度差
    ・冬の凍害

    これらは外壁よりもはるかに過酷。

    外壁はシリコンで問題なくても、屋根はシリコンでは耐久不足になる場合があるのはそのためです。

    ■ 理由③ 劣化すると雨漏りに直結する

    屋根の塗膜は「防水の最終バリア」という重要な役割を持っています。

    劣化すると…

    ・ひび割れ
    ・屋根材の反り
    ・コケの繁殖
    ・棟板金の浮き
    ・雨水の浸入

    が発生し、最終的には 雨漏り に直結します。

    だからこそ、塗料の耐久性が建物の寿命に直結する といえます。

    第2章:屋根用塗料の種類と性能の順番

    まずは塗料の“基礎知識”として、屋根塗料の種類を耐久性順に整理します。

    【耐久性ランキング】

    ① 無機塗料(最上位)
    ② フッ素塗料
    ③ 遮熱フッ素
    ④ ラジカル制御型
    ⑤ シリコン塗料(屋根は耐久控えめ)
    ⑥ ウレタン塗料(現在ほぼ不向き)
    ⑦ アクリル塗料(屋根用は不可)

    屋根の場合は特に「無機・フッ素・遮熱」が主流という点がポイントです。

    第3章:各塗料の特徴をわかりやすく解説

    ① 無機塗料(最強の屋根塗料)

    耐久年数:18〜25年
    特徴:汚れにくい、紫外線に最強、塗膜が硬い
    費用:やや高いが長期的に最安になる

    ガラス成分など“無機物”を多く配合した塗料で、紫外線に極めて強いのが特徴。

    屋根に最も適した塗料グレードです。

    ✔ とにかく長く持たせたい
    ✔ 一度の塗装で長期間安心したい
    ✔ 海沿いや雨量が多い地域に住んでいる

    という方に最適。

    ② フッ素塗料(高耐久+コスパ良)

    耐久年数:15〜20年
    特徴:紫外線に非常に強い、耐熱性が高い
    費用:中間〜高め

    シリコンの上のグレードで、屋根の強烈な紫外線に耐える優秀な塗料。

    外壁はシリコンでも、屋根はフッ素にする「ミックス施工」も非常に多いです。

    ③ 遮熱フッ素・遮熱無機(人気トップ)

    耐久年数:15〜25年
    特徴:屋根の温度上昇を抑える、省エネ効果
    価格:普通〜やや高い

    現在、最も人気なのが遮熱タイプ。

    屋根温度を最大10〜20℃下げることも可能で、夏の暑さ対策、電気代の節約に効果的。

    ④ ラジカル制御型塗料

    耐久年数:12〜15年
    特徴:色褪せしにくい、価格が手頃
    価格:中間

    最新技術の“新世代塗料”。シリコンより耐久性が高く、屋根にも十分使えるレベルです。

    ⑤ シリコン塗料(外壁は定番だが屋根は注意)

    耐久年数:8〜12年
    特徴:価格は手頃、性能は標準
    価格:安め

    外壁では1番人気のシリコンですが、屋根には耐久年数が物足りない場合が多いです。

    紫外線が強い地域(九州・関西・四国)はシリコンでは早期劣化が起こりやすい傾向があります。

    ⑥ ウレタン塗料(屋根には不向き)

    耐久性が低く、現在は付帯部用の塗料として使用。屋根にはほとんど採用されません。

    第4章:屋根材別の最適塗料

    ■ スレート(コロニアル・カラーベスト)

    → 日本の屋根で最も多い屋根材

    最適:
    ✔ 遮熱無機
    ✔ 遮熱フッ素
    ✔ 無機
    ✔ フッ素

    “塗装前の縁切り(タスペーサー)”が必須です。


    ■ ガルバリウム鋼板

    → 金属屋根

    最適:
    ✔ 無機
    ✔ フッ素
    ✔ ラジカル
    ※下塗りは必ず「サビ止めプライマー」


    ■ トタン屋根

    → 古い家に多い金属屋根

    最適:
    ✔ 無機
    ✔ フッ素
    ✔ ラジカル

    サビが発生しやすいため、
    「ケレン(サビ落とし)」「サビ止め」が超重要。


    ■ モニエル瓦(乾式コンクリート瓦)

    → 塗料の相性を間違うと剥がれる

    最適:
    ✔ 無機
    ✔ フッ素
    ✔ ラジカル

    ※専用下塗りが必要(これがポイント!)


    ■ セメント瓦

    → 塗装で長期保護できる

    最適:
    ✔ 無機
    ✔ フッ素
    ✔ 遮熱フッ素

    第5章:“絶対に失敗しない”屋根塗料の選び方5ステップ

    STEP1:屋根材を知る(まずはコレ)

    屋根材によって選べる塗料が変わります。
    スレート・金属・セメント瓦など、種類の把握が最優先。

    STEP2:耐久年数で選ぶ

    「あと何年住む予定があるか」で決めるのが正解。

    ● 長く住む → 無機・フッ素
    ● 中期的に住む → ラジカル
    ● とりあえず綺麗にしたい → シリコン

    STEP3:遮熱が必要か考える

    遮熱塗料は
    ✔ 夏の暑さを軽減
    ✔ エアコン代が下がる

    多くのご家庭が選ぶ理由は “生活の快適さ” です。

    STEP4:屋根の劣化状況をチェック

    劣化が激しい場合は
    ✔ 塗装より“カバー工法”が適している
    ✔ 専用プライマーが必要
    ✔ 補修が多いと塗装の寿命が短い

    など判断が変わります。

    STEP5:メーカーと職人の相性を重視

    屋根塗料はメーカーの基準どおりに塗らないと性能が出ません。

    塗装会社の技術力・管理体制が非常に重要です。

    第6章:屋根塗料の費用相場

    屋根塗装の費用は選ぶ塗料で大きく変わります。

    塗料費用相場(30坪)
    無機45万〜70万
    フッ素40万〜60万
    遮熱フッ素45万〜70万
    ラジカル35万〜50万
    シリコン28万〜45万

    ※屋根の状態・勾配・足場によって大きく変動します。

    第7章:屋根塗装で後悔しないための注意点

    ✔ 最低3回塗りが必須
    ✔ 下塗り選びが最重要
    ✔ 劣化度によって工程が変わる
    ✔ タスペーサー必須(スレート)
    ✔ 乾燥時間(インターバル)を守ること
    ✔ 足場の費用はなるべく一度でまとめる

    第8章:屋根塗料のQ&A


    Q1. 屋根塗料は何年持ちますか?

    A. 選ぶ塗料により
    ● 8〜12年(シリコン)
    ● 12〜15年(ラジカル)
    ● 15〜20年(フッ素)
    ● 20〜25年(無機)
    が目安です。


    Q2. 外壁と同じ塗料で屋根も塗ればいいの?

    A. いいえ。
    屋根は外壁より強い塗料が必要です。


    Q3. 遮熱塗料って効果ある?

    A. はい。
    屋根温度を10〜20℃下げることが可能で、
    実際に涼しく感じます。


    Q4. 黒い屋根でも遮熱できますか?

    A. できます。
    黒系の遮熱塗料も存在します。


    Q5. 無機塗料は塗膜が硬すぎて割れる?

    A. 現在の無機塗料は柔軟性も備えており問題ありません。


    Q6. 雨漏りしていても塗装できる?

    A. 雨漏りは塗装では直りません。
    原因の補修が必要です。


    Q7. カバー工法と塗装はどちらがいい?

    A. 劣化が激しい場合はカバー工法がおすすめです。


    Q8. 塗料は厚ければ厚いほど良い?

    A. いいえ。
    メーカー規定の膜厚を守ることが重要です。


    Q9. 屋根塗装は何日かかる?

    A. 約4〜6日が目安です(天候による)。


    Q10. 自宅の屋根に合う塗料がわからない

    A. 屋根材・劣化・地域の気候で最適解が変わります。


    Q11. 夏に塗装したほうが遮熱効果ある?

    A. 季節は関係ありません。
    塗料そのものに効果があります。


    Q12. 塗装後すぐ雨が降るとどうなる?

    A. 乾燥前であれば塗り直しが必要です。


    Q13. DIYで屋根を塗っても大丈夫?

    A. 危険なうえ、保証外になるためおすすめできません。


    Q14. 足場なしでもできる?

    A. 基本は不可です。
    安全面・仕上がり・保証の観点から足場は必須。


    Q15. 塗料のメーカーはどこがいい?

    A. 日本ペイント・アステック・エスケー化研などが人気です。


    【まとめ】

    屋根塗料の選び方は、“屋根材”“耐久性”“遮熱の必要性”“劣化状況”この4つでほぼ決まります。

    ✔ 長く住むなら無機
    ✔ コスパならフッ素
    ✔ 快適性なら遮熱
    ✔ バランスならラジカル
    ✔ 最低限ならシリコン

    私たちトラストホームは、建物を知り尽くすプロの提案力でお客様の屋根の状態を的確に診断します。
    どのような劣化が進んでいるかを専門家の視点で見極め、本当に必要な最適なリフォームプランだけをご提案いたします。

    また、職人直営の自社施工だからこそ、中間マージンなどの余分なコストを一切カットできます。
    高品質な施工を適正価格でご提供し、お客様の大切な資産をお守りします。
    福岡の気候風土を熟知した地元企業として、迅速できめ細やかな対応をお約束します。
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    ご自宅の屋根について少しでも気になることがございましたら、ぜひ一度トラストホームにご相談ください。

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