住宅塗替え部位別の工法説明|内壁
住まいを守り、快適性を高めるために欠かせない「内壁塗装」。
外壁・屋根とは異なり、内壁は日常生活のすぐそばにあり、美観・耐久性・健康面に直接影響を与える重要な空間です。しかし、多くの方が「内壁にも塗替えが必要なの?」「クロスとはどう違うの?」と疑問を持たれます。
本記事では、内壁塗装の役割・劣化症状・必要なメンテナンス時期・使用される塗料の種類・各工法の詳細・費用相場・施工の流れ・注意点まで、プロ目線で総合的に分かりやすく解説します。内壁リフォームを検討される方の判断材料としてお役立てください。
- 1. 1章 内壁塗装とは?その役割と必要性
- 2. 2章 内壁の種類と特徴
- 3. 3章 内壁の劣化症状とメンテナンス時期
- 4. 4章 内壁塗装に使用される塗料の種類
- 5. 5章 内壁塗装の工法(部位別・素材別に詳しく解説)
- 5.0.1. ●石膏ボード内壁の一般的な工法
- 5.0.2. ① 養生
- 5.0.3. ② 下地処理(最重要工程)
- 5.0.4. ③ 下塗り(シーラー)
- 5.0.5. ④ 上塗り(2回塗り)
- 5.0.6. ●モルタル・コンクリート内壁の工法
- 5.0.7. ① クラック補修
- 5.0.8. ② 樹脂モルタル補修
- 5.0.9. ③ 浸透性シーラー下塗り
- 5.0.10. ④ 上塗り(ローラー or 吹付)
- 5.0.11. ●珪藻土・漆喰壁の塗替え工法
- 5.0.12. 工法のポイント
- 5.0.13. ●コンクリート打ちっぱなしの工法
- 5.0.14. ① 中性化の確認
- 5.0.15. ② ピンホール補修
- 5.0.16. ③ 保護クリヤー塗装
- 5.0.17. ●木材(無垢)の塗装工法
- 5.0.18. ① 表面研磨(サンディング)
- 5.0.19. ② オイル塗装 or 水性塗料
- 6. 6章 内壁塗装のメリット
- 7. 7章 内壁塗装のデメリット
- 8. 8章 施工の流れ(戸建て・マンション共通)
- 9. 9章 費用相場(目安)
- 10. 10章 内壁塗装で特に注意するポイント
- 11. 11章 内壁塗替え工事が必要なタイミング別ケーススタディ
- 12. 12章 まとめ:内壁塗装は住まいの快適性を大きく左右する
1章 内壁塗装とは?その役割と必要性
内壁は「家の中だから劣化しない」と思われがちですが、実際には湿気・臭い・手垢・擦れ・傷・カビなど、生活上の影響をもっとも受けやすい場所です。特にキッチン・洗面室・トイレなどは湿度の変化が激しく、外壁より早く汚れや劣化が表れる場合さえあります。
内壁塗装の主な役割
- 美観の維持・向上
色ムラ・汚れ・ヤニ汚れ・擦り傷・手垢を塗装により一新できる。 - 防カビ・抗菌・消臭効果
健康面で重要。とくに小さなお子様やペットがいる家庭では大きなメリット。 - 湿度調整・空気環境の改善
自然素材系塗料(珪藻土・漆喰など)は吸放湿性が高く、結露やカビ対策にもなる。 - 耐久性の向上
壁材(石膏ボード・モルタル壁など)の保護層として、劣化を遅らせる。 - 住宅価値の維持
汚れた内装は築年数以上に古く見えるため、売却時の印象にも影響。
2章 内壁の種類と特徴
内壁の工法・塗装方法を理解するには、まず「どんな内壁材で構成されているか」を知る必要があります。
① 石膏ボード(一般住宅で最も多い)
クロス下地として使われるが、塗装仕上げにもよく利用される。
・施工性が高い
・コストが安い
・凹みや傷がつきやすいので下地処理が重要
② モルタル・コンクリート壁
古い建物や店舗・倉庫などで多い。
・強度が高く塗装の密着も良い
・ひび割れが起きやすいためフィラー処理が必須
③ 珪藻土・漆喰などの自然素材仕上げ
風合いが良く調湿性が高い人気素材。
・塗替えの際は素材に合わせた専用下地処理が必要
・厚みがあり、ローラーでは難しい部分もある
④ コンクリート打ちっぱなし
意匠性が高く店舗でも人気。
・特有の質感を生かすため専用クリア塗装を使う
・汚れが目立ちやすいので保護が重要
⑤ 木材(無垢材・板壁)
ログハウス・和室などに使用。
・木に含まれる樹脂・ヤニ・吸い込みのムラに注意
・自然塗料・オイル塗装が多い
3章 内壁の劣化症状とメンテナンス時期
「見た目が汚れてきたら塗替え」というイメージは正しいですが、実はもっと早い段階で塗替えサインが表れます。
【内壁の劣化サイン】
- 黒ずみ・手垢・生活汚れ
- タバコのヤニ・油汚れによる黄ばみ
- カビ・黒い斑点(要注意)
- 湿気による膨れ・剥がれ
- ひび割れ(クラック)
- クロス継ぎ目の開き
- 家具跡・擦り傷
- 臭いがこもる(ペット臭・生活臭)
メンテナンス目安
- 一般的な塗料仕上げ:5~10年
- 自然素材系塗り壁:10~20年(部分補修含む)
- 店舗や喫煙環境:3~5年
4章 内壁塗装に使用される塗料の種類
内壁には外壁と異なる性能が求められます。「安全性」が最重要。ここでは、内装塗料の主力ラインを紹介します。
●アクリル塗料(内装用)
・仕上がりが早くコストが安い
・耐久性はやや低め
・賃貸の現状回復工事などに多用
●水性ウレタン塗料
・耐久性が高く、汚れに強い
・つや有り〜つや消しまで選べる
・学校・病院・商業施設でも使用
●水性シリコン塗料
・耐久性と価格のバランスが良い
・住居の内壁塗装で最も選ばれるグレード
・防カビ性・抗菌性を付与した製品が多い
●自然素材系塗料(珪藻土・漆喰)
・調湿性能が最強
・有害物質を吸着しやすい
・独特の質感で高級感
・厚塗りのため施工スキルが必要
●オイル系塗料(木材用)
・木の質感をそのまま生かせる
・色ムラの調整が必要
・メンテナンスは数年周期で必要
5章 内壁塗装の工法(部位別・素材別に詳しく解説)
「どの壁にどんな工法が使われるのか」を分かりやすくまとめます。
●石膏ボード内壁の一般的な工法
① 養生
床・家具・窓枠を丁寧に保護。
② 下地処理(最重要工程)
・ビス穴補修
・凹み補修
・パテ処理
・段差調整
壁の仕上がりは7割が下地で決まると言われます。
③ 下塗り(シーラー)
吸い込みを防ぎ、密着性を高める。
④ 上塗り(2回塗り)
お客様が選んだ色に美しく仕上げる。
●モルタル・コンクリート内壁の工法
① クラック補修
Vカット・Uカットが不要な細いひびはフィラーで埋める。
② 樹脂モルタル補修
下地が脆弱な場合は樹脂で固める。
③ 浸透性シーラー下塗り
④ 上塗り(ローラー or 吹付)
ローラー仕上げはマットな質感、吹付は立体感が出る。
●珪藻土・漆喰壁の塗替え工法
これらの壁は「塗装してはいけない」と誤解されがちですが、正しく施工すれば問題ありません。
工法のポイント
● 吸い込みムラを消す専用シーラーが必要
● 既存の厚みを生かして再塗りし、質感を整える
● ひび割れ補修は専用パテで行う
自然素材で再仕上げする場合は左官工法になります。
●コンクリート打ちっぱなしの工法
① 中性化の確認
コンクリートが劣化している場合、保護塗装が必須。
② ピンホール補修
独特の小穴を埋める。
③ 保護クリヤー塗装
光沢あり・なしを選べる。
●木材(無垢)の塗装工法
① 表面研磨(サンディング)
古い塗膜を落とし、木目を整える。
② オイル塗装 or 水性塗料
・自然オイル:ナチュラルな風合い
・水性塗料:カラーバリエーション豊富
6章 内壁塗装のメリット
- クロスより長寿命(張替え頻度が少ない)
- 高級感のあるマット仕上げができる
- 部分補修が容易
- カビ対策に優れる
- におい・湿気の調整ができる(自然素材系)
- 色・質感の自由度が高い
7章 内壁塗装のデメリット
・クロスより施工期間が長い場合がある
・下地処理の手間が大きい
・素材によって工法が異なり専門技術が必須
・自然素材系はコストが高い
8章 施工の流れ(戸建て・マンション共通)
- 現地調査
- 壁材の確認(素材、劣化度、カビの有無)
- 色決め・仕上げ方法の選択
- 養生
- 下地処理
- 下塗り
- 上塗り(2回)
- 乾燥
- 養生撤去
- 完了確認
9章 費用相場(目安)
| 施工内容 | 費用(㎡あたり) |
|---|---|
| 石膏ボード内壁塗装 | 1,500~2,800円 |
| モルタル壁塗装 | 2,000~4,500円 |
| 珪藻土・漆喰再仕上げ | 4,000~10,000円 |
| 木部塗装 | 2,000~6,000円 |
※住宅の状態・補修量・使用塗料により変動します。
10章 内壁塗装で特に注意するポイント
① カビの再発対策
カビは「表面」ではなく「壁内」で繁殖する場合が多い。
再発防止のため、防カビ性の高い塗料を選ぶべき。
② 換気環境の見直し
内壁塗装をしても湿気がこもれば再び劣化。
換気扇増設や窓断熱もセットで検討すると効果的。
③ 塗料の安全性
F☆☆☆☆(フォースター)認定の塗料が必須。
特に子ども部屋・寝室では重要。
④ 部屋の用途に応じた塗料選び
・キッチン → 油汚れに強い
・トイレ → 消臭効果
・寝室 → 調湿機能
11章 内壁塗替え工事が必要なタイミング別ケーススタディ
■ ケース①:築10年以上の住宅で全体的に黄ばみ
→ 水性シリコン塗装で全体をリフレッシュ
■ ケース②:カビが多くアレルギーが心配
→ 防カビシーラー+抗菌塗料で再発防止
■ ケース③:自然素材の家で調湿性を高めたい
→ 珪藻土の再塗り仕上げ
■ ケース④:ペット臭が壁に染みついている
→ 消臭効果の高い塗料+換気改善
12章 まとめ:内壁塗装は住まいの快適性を大きく左右する
内壁の塗替えは、単なる「見た目の改善」ではなく、
・健康
・生活環境
・住まいの寿命
に影響する重要なメンテナンスです。
施工を成功させるポイントは、
● 壁素材に合った工法を選ぶこと
● 正しい下地処理を行うこと
● 安全性の高い塗料を使用すること
● カビ・湿気などの環境要因もセットで整えること
内壁は日々触れ合う空間だからこそ、丁寧な施工が必要です。
専門業者に相談しながら、ご自宅に最適な塗装方法を選んでください。
後悔のないリフォームを実現するためには、以下のポイントを押さえて業者を選ぶことが重要です。
- 中間マージンのかからない、職人直営の自社施工会社を選ぶ。
- 地域に根ざし、その土地の気候や特性を熟知している会社を選ぶ。
- 建物の状態を正確に診断し、最適なプランを提案できる専門知識を持った会社を選ぶ。
福岡で内壁塗装リフォームをご検討の際は、ぜひ私たちトラストホームにご相談ください。
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