住宅塗替え部位別の工法説明|内壁

住宅塗替え部位別の工法説明|内壁
目 次

    住まいを守り、快適性を高めるために欠かせない「内壁塗装」。
    外壁・屋根とは異なり、内壁は日常生活のすぐそばにあり、美観・耐久性・健康面に直接影響を与える重要な空間です。しかし、多くの方が「内壁にも塗替えが必要なの?」「クロスとはどう違うの?」と疑問を持たれます。

    本記事では、内壁塗装の役割・劣化症状・必要なメンテナンス時期・使用される塗料の種類・各工法の詳細・費用相場・施工の流れ・注意点まで、プロ目線で総合的に分かりやすく解説します。内壁リフォームを検討される方の判断材料としてお役立てください。

    目次

    1章 内壁塗装とは?その役割と必要性

    内壁は「家の中だから劣化しない」と思われがちですが、実際には湿気・臭い・手垢・擦れ・傷・カビなど、生活上の影響をもっとも受けやすい場所です。特にキッチン・洗面室・トイレなどは湿度の変化が激しく、外壁より早く汚れや劣化が表れる場合さえあります。

    内壁塗装の主な役割

    1. 美観の維持・向上
       色ムラ・汚れ・ヤニ汚れ・擦り傷・手垢を塗装により一新できる。
    2. 防カビ・抗菌・消臭効果
       健康面で重要。とくに小さなお子様やペットがいる家庭では大きなメリット。
    3. 湿度調整・空気環境の改善
       自然素材系塗料(珪藻土・漆喰など)は吸放湿性が高く、結露やカビ対策にもなる。
    4. 耐久性の向上
       壁材(石膏ボード・モルタル壁など)の保護層として、劣化を遅らせる。
    5. 住宅価値の維持
       汚れた内装は築年数以上に古く見えるため、売却時の印象にも影響。

    2章 内壁の種類と特徴

    内壁の工法・塗装方法を理解するには、まず「どんな内壁材で構成されているか」を知る必要があります。

    ① 石膏ボード(一般住宅で最も多い)

    クロス下地として使われるが、塗装仕上げにもよく利用される。
    ・施工性が高い
    ・コストが安い
    ・凹みや傷がつきやすいので下地処理が重要

    ② モルタル・コンクリート壁

    古い建物や店舗・倉庫などで多い。
    ・強度が高く塗装の密着も良い
    ・ひび割れが起きやすいためフィラー処理が必須

    ③ 珪藻土・漆喰などの自然素材仕上げ

    風合いが良く調湿性が高い人気素材。
    ・塗替えの際は素材に合わせた専用下地処理が必要
    ・厚みがあり、ローラーでは難しい部分もある

    ④ コンクリート打ちっぱなし

    意匠性が高く店舗でも人気。
    ・特有の質感を生かすため専用クリア塗装を使う
    ・汚れが目立ちやすいので保護が重要

    ⑤ 木材(無垢材・板壁)

    ログハウス・和室などに使用。
    ・木に含まれる樹脂・ヤニ・吸い込みのムラに注意
    ・自然塗料・オイル塗装が多い

    3章 内壁の劣化症状とメンテナンス時期

    「見た目が汚れてきたら塗替え」というイメージは正しいですが、実はもっと早い段階で塗替えサインが表れます。

    【内壁の劣化サイン】

    1. 黒ずみ・手垢・生活汚れ
    2. タバコのヤニ・油汚れによる黄ばみ
    3. カビ・黒い斑点(要注意)
    4. 湿気による膨れ・剥がれ
    5. ひび割れ(クラック)
    6. クロス継ぎ目の開き
    7. 家具跡・擦り傷
    8. 臭いがこもる(ペット臭・生活臭)

    メンテナンス目安

    • 一般的な塗料仕上げ:5~10年
    • 自然素材系塗り壁:10~20年(部分補修含む)
    • 店舗や喫煙環境:3~5年

    4章 内壁塗装に使用される塗料の種類

    内壁には外壁と異なる性能が求められます。「安全性」が最重要。ここでは、内装塗料の主力ラインを紹介します。

    ●アクリル塗料(内装用)

    ・仕上がりが早くコストが安い
    ・耐久性はやや低め
    ・賃貸の現状回復工事などに多用

    ●水性ウレタン塗料

    ・耐久性が高く、汚れに強い
    ・つや有り〜つや消しまで選べる
    ・学校・病院・商業施設でも使用

    ●水性シリコン塗料

    ・耐久性と価格のバランスが良い
    ・住居の内壁塗装で最も選ばれるグレード
    ・防カビ性・抗菌性を付与した製品が多い

    ●自然素材系塗料(珪藻土・漆喰)

    ・調湿性能が最強
    ・有害物質を吸着しやすい
    ・独特の質感で高級感
    ・厚塗りのため施工スキルが必要

    ●オイル系塗料(木材用)

    ・木の質感をそのまま生かせる
    ・色ムラの調整が必要
    ・メンテナンスは数年周期で必要

    5章 内壁塗装の工法(部位別・素材別に詳しく解説)


    「どの壁にどんな工法が使われるのか」を分かりやすくまとめます。

    ●石膏ボード内壁の一般的な工法

    ① 養生

    床・家具・窓枠を丁寧に保護。

    ② 下地処理(最重要工程)

    ・ビス穴補修
    ・凹み補修
    ・パテ処理
    ・段差調整

    壁の仕上がりは7割が下地で決まると言われます。

    ③ 下塗り(シーラー)

    吸い込みを防ぎ、密着性を高める。

    ④ 上塗り(2回塗り)

    お客様が選んだ色に美しく仕上げる。

    ●モルタル・コンクリート内壁の工法

    ① クラック補修

    Vカット・Uカットが不要な細いひびはフィラーで埋める。

    ② 樹脂モルタル補修

    下地が脆弱な場合は樹脂で固める。

    ③ 浸透性シーラー下塗り

    ④ 上塗り(ローラー or 吹付)

    ローラー仕上げはマットな質感、吹付は立体感が出る。

    ●珪藻土・漆喰壁の塗替え工法

    これらの壁は「塗装してはいけない」と誤解されがちですが、正しく施工すれば問題ありません。

    工法のポイント

    ● 吸い込みムラを消す専用シーラーが必要
    ● 既存の厚みを生かして再塗りし、質感を整える
    ● ひび割れ補修は専用パテで行う

    自然素材で再仕上げする場合は左官工法になります。

    ●コンクリート打ちっぱなしの工法

    ① 中性化の確認

    コンクリートが劣化している場合、保護塗装が必須。

    ② ピンホール補修

    独特の小穴を埋める。

    ③ 保護クリヤー塗装

    光沢あり・なしを選べる。

    ●木材(無垢)の塗装工法

    ① 表面研磨(サンディング)

    古い塗膜を落とし、木目を整える。

    ② オイル塗装 or 水性塗料

    ・自然オイル:ナチュラルな風合い
    ・水性塗料:カラーバリエーション豊富

    6章 内壁塗装のメリット

    1. クロスより長寿命(張替え頻度が少ない)
    2. 高級感のあるマット仕上げができる
    3. 部分補修が容易
    4. カビ対策に優れる
    5. におい・湿気の調整ができる(自然素材系)
    6. 色・質感の自由度が高い

    7章 内壁塗装のデメリット

    ・クロスより施工期間が長い場合がある
    ・下地処理の手間が大きい
    ・素材によって工法が異なり専門技術が必須
    ・自然素材系はコストが高い

    8章 施工の流れ(戸建て・マンション共通)

    1. 現地調査
    2. 壁材の確認(素材、劣化度、カビの有無)
    3. 色決め・仕上げ方法の選択
    4. 養生
    5. 下地処理
    6. 下塗り
    7. 上塗り(2回)
    8. 乾燥
    9. 養生撤去
    10. 完了確認

    9章 費用相場(目安)

    施工内容費用(㎡あたり)
    石膏ボード内壁塗装1,500~2,800円
    モルタル壁塗装2,000~4,500円
    珪藻土・漆喰再仕上げ4,000~10,000円
    木部塗装2,000~6,000円

    ※住宅の状態・補修量・使用塗料により変動します。

    10章 内壁塗装で特に注意するポイント

    ① カビの再発対策

    カビは「表面」ではなく「壁内」で繁殖する場合が多い。
    再発防止のため、防カビ性の高い塗料を選ぶべき。

    ② 換気環境の見直し

    内壁塗装をしても湿気がこもれば再び劣化。
    換気扇増設や窓断熱もセットで検討すると効果的。

    ③ 塗料の安全性

    F☆☆☆☆(フォースター)認定の塗料が必須。
    特に子ども部屋・寝室では重要。

    ④ 部屋の用途に応じた塗料選び

    ・キッチン → 油汚れに強い
    ・トイレ → 消臭効果
    ・寝室 → 調湿機能

    11章 内壁塗替え工事が必要なタイミング別ケーススタディ

    ■ ケース①:築10年以上の住宅で全体的に黄ばみ

    → 水性シリコン塗装で全体をリフレッシュ

    ■ ケース②:カビが多くアレルギーが心配

    → 防カビシーラー+抗菌塗料で再発防止

    ■ ケース③:自然素材の家で調湿性を高めたい

    → 珪藻土の再塗り仕上げ

    ■ ケース④:ペット臭が壁に染みついている

    → 消臭効果の高い塗料+換気改善

    12章 まとめ:内壁塗装は住まいの快適性を大きく左右する

    内壁の塗替えは、単なる「見た目の改善」ではなく、
    ・健康
    ・生活環境
    ・住まいの寿命
    に影響する重要なメンテナンスです。

    施工を成功させるポイントは、
    ● 壁素材に合った工法を選ぶこと
    ● 正しい下地処理を行うこと
    ● 安全性の高い塗料を使用すること
    ● カビ・湿気などの環境要因もセットで整えること

    内壁は日々触れ合う空間だからこそ、丁寧な施工が必要です。
    専門業者に相談しながら、ご自宅に最適な塗装方法を選んでください。

    後悔のないリフォームを実現するためには、以下のポイントを押さえて業者を選ぶことが重要です。

    • 中間マージンのかからない、職人直営の自社施工会社を選ぶ。
    • 地域に根ざし、その土地の気候や特性を熟知している会社を選ぶ。
    • 建物の状態を正確に診断し、最適なプランを提案できる専門知識を持った会社を選ぶ。

    福岡で内壁塗装リフォームをご検討の際は、ぜひ私たちトラストホームにご相談ください。
    トラストホームは、福岡の建物を知り尽くしたプロによる「自社施工」にこだわり、中間マージンを徹底的にカットした適正価格で高品質な工事をお届けします。
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