福岡でなぜ人気?ガルバリウム鋼板屋根の特徴とメリット・デメリット

2025.10.26更新

福岡でなぜ人気?ガルバリウム鋼板屋根の特徴とメリット・デメリット
目 次

    近年、住宅の屋根や外壁の建材として、ガルバリウム鋼板が急速に普及しています。
    私たちトラストホームが福岡で施工する中でも、お客様から選ばれる機会が非常に増えました。
    高い性能を持つ素材ですが、もちろん完璧というわけではありません。

    今回は、ガルバリウム鋼板がなぜこれほど支持されるのか、その特徴から耐久性、費用、メンテナンス方法に至るまで、専門家の視点から詳しく解説します。

    1.ガルバリウム鋼板のシェア

    以前の日本では瓦屋根が主流でしたが、現在では新築・リフォームを問わず金属屋根が圧倒的なシェアを占めています。
    その中でも中心的な存在がガルバリウム鋼板です。

    【2021年度屋根材市場の素材別シェア】

    素材の種類シェア率
    金属屋根(主にガルバリウム鋼板)63.2%
    スレート15.0%
    陶器瓦13.4%
    アスファルトシングル5.6%
    その他2.8%
    (出典:新建ハウジング2021年度屋根材市場)

    トラストホームがお客様からお伺いする主な選定理由(屋根)
    私たちトラストホームがお客様からよくお伺いする理由としては、以下のような点が挙げられます。

    • 軽量で地震への不安を軽減できるから。
    • 耐久性や耐風性に優れ、台風の多い福岡でも安心だから。
    • 断熱材一体型製品を選べば、夏の暑さを和らげられるから。
    • カバー工法によるリフォームのコストパフォーマンスが高いから。

    特に既存の屋根の上に新しい屋根を重ねる「屋根カバー工法」では、軽量なガルバリウム鋼板が最適です。

    外壁材においては、窯業系サイディングが依然として高いシェアを誇りますが、ガルバリウム鋼板を含む金属サイディングも第2位の位置を確立しています。
    そのモダンなデザイン性から、こだわりの注文住宅で採用されるケースが増加中です。

    2.ガルバリウム鋼板の特徴・基本構造

    ガルバリウム鋼板は、鉄(鋼板)をベースに耐久性を高めた金属屋根材です。
    「鋼(はがね)」とは、鉄に炭素などの成分を加えた合金で、非常に強度の高い素材ですが、水分や酸素に触れると錆びやすいという弱点があります。

    この弱点を補うため、鉄の表面を防錆効果のある合金でコーティング(メッキ)したものがガルバリウム鋼板です。
    1972年、アメリカのベスレヘムスチール社によって開発されたこの技術により、鉄の強さと防錆性を両立した革新的な建材が誕生しました。

    ガルバリウム鋼板とはどんな素材?

    ガルバリウム鋼板は、「鋼板」+「ガルバリウム(合金皮膜)」で構成された複合素材です。
    ガルバリウムとは、アルミニウム・亜鉛・ケイ素を組み合わせた合金で、特にアルミが全体の約55%を占めています。
    日本工業規格(JIS G3321)では、「溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板」と定義されています。

    アルミニウムは表面を保護するバリア機能を、亜鉛は傷がついた部分を電気化学的に補修する“犠牲防食”作用を担っており、
    この2つの効果によって鉄を長期間錆びから守ることができます。

    また、表面にはさらに塗装による保護膜(塗膜)が施されており、 外観の美しさとともに耐候性・防汚性も高められています。

    トタンから進化した高耐久素材

    かつて主流だった「トタン屋根」は、亜鉛のみをメッキした鋼板でした。
    初期は防錆効果がありますが、時間の経過とともに亜鉛層が消耗し、20~30年で錆が目立つという欠点がありました。

    そこで、亜鉛にアルミを加えることで、錆の進行を大幅に抑えたのがガルバリウム鋼板です。
    アルミの耐食性と亜鉛の防食性を併せ持つことで、約30年以上の耐用年数を実現し、
    現在では金属屋根材の主流として広く採用されています。

    ガルバリウム鋼板をわかりやすく言えば…

    イメージとしては、「鉄(鋼板)」が本体、そして「ガルバリウム」が鎧のように表面を守るスーツです。
    鉄は頑丈ですが、水と酸素に触れると錆びるという致命的な弱点があります。
    この弱点を克服するため、鋼板の表面に合金の膜を固着させる「メッキ」という技術が用いられます。
    ガルバリウム鋼板のメッキは、以下の3つの成分で構成されています。


    • アルミニウム(55%)
      表面に不動態皮膜を形成し、錆の進行を防ぐバリア機能を持つ。
    • 亜鉛(約44%)
      傷が付いた際に、鉄より先に溶け出して鉄本体を守る「犠牲防食作用」を持つ。
    • ケイ素(約1%)
      アルミニウムと亜鉛が鋼板にしっかりと密着するのを助ける。

    この絶妙な配合により、かつて使われていたトタン(亜鉛メッキ鋼板)と比較して3〜6倍の防錆性を実現しています。

    3.ガルバリウム鋼板屋根の耐久性

    屋根の寿命の目安ガルバリウム鋼板の耐久年数は、設置される環境によって左右されます。
    常に紫外線や風雨に晒される屋根は、外壁よりも過酷な環境にあるため、寿命が少し短くなる傾向があります。

    • 屋根:約25年~35年
    • 外壁:約30年~40年

    劣化したガルバリウム

    錆の進行プロセスガルバリウム鋼板は錆びにくい素材ですが、全く錆びないわけではありません
    劣化は以下のようなステップでゆっくりと進行します。

    1. 表面塗膜が劣化し、白い粉が付着する(白亜化)。
    2. メッキ層が露出し、環境によっては白い斑点(白錆)が発生する
    3. 傷などからメッキ層が失われると、鉄の錆(赤錆)が発生する。
    4. 赤錆は時間をかけて黒っぽく変色する(黒錆)。
    5. 最終的に腐食が進行し、穴が開いて雨漏りの原因となる。

    ただし、トタンのように錆が一気に広がることは稀で、局所的に発生しゆっくりと進行するのが特徴です。

    耐久性が低下する環境要因福岡の環境も踏まえ、以下のような条件下では通常より寿命が短くなる可能性があります。

    • 沿岸地域:潮風に含まれる塩分がメッキ層の劣化を促進する。
    • 工場地帯:排出される汚染物質が表面に付着し、酸性雨などの影響で腐食しやすくなる。
    • 森林の近く:落ち葉が屋根に堆積し、長時間湿った状態が続くと錆の原因になる。
    • 雨が当たらない場所:軒下などは雨で汚れが洗い流されず、埃や汚染物質が溜まりやすい。

    4.必要なメンテナンス計画

    ガルバリウム鋼板の性能を長持ちさせるためには、計画的なメンテナンスが重要です。

    日常的な点検と清掃

    • 推奨頻度:年に1〜2回
    • 内容:軒下やバルコニー下など、雨が直接当たらない箇所をホースなどで水洗いし、付着した汚れや塩分を洗い流してください。

    専門家による定期点検

    • 推奨頻度:10年〜15年に1回
    • 内容:専門家が屋根に登り、シーリング(継ぎ目の充填材)の劣化、塗膜の色あせ、傷や凹みの有無、錆の発生状況などを確認します。

    メンテナンスの目安一般的なポリエステル塗装の製品の場合、以下がメンテナンスの目安です。

    メンテナンス内容目安時期(屋根)目安時期(外壁)
    シーリング打ち替え10年~15年10年~15年
    表面塗装(塗り替え)15年~20年20年~25年
    カバー工法・葺き替え25年~35年30年~40年

    フッ素塗料でコーティングされた高耐久製品の場合、塗装の目安は30年以上となり、メンテナンスの手間を大幅に削減できます。

    5.屋根・外壁の工事費用

    工事価格は面積や形状、使用する製品、リフォームの方法によって大きく異なります。
    ここでは一般的な福岡の戸建て住宅(屋根80㎡、外壁125㎡と想定)の価格帯を参考として示します。

    【屋根工事の費用目安(税込み)】

    工事内容価格帯
    新築工事(縦葺き)60~80万円
    新築工事(横葺き)70~100万円
    屋根カバー工法90~120万円
    屋根葺き替え工法110~170万円

    【外壁工事の費用目安(税込み)】

    工事内容価格帯
    新築工事120~200万円
    外壁カバー工法160~250万円
    外壁張り替え工法200~350万円

    近年、鋼材価格や人件費の上昇が続いており、工事費用は年々高くなる傾向にあります。
    リフォームを検討されている場合は、早めの計画をおすすめします。

    6.他の素材とのメリット・デメリット比較

    ガルバリウム鋼板の特徴を、他の主要な建材と比較してみましょう。

    【主要屋根材との比較】

    比較項目ガルバリウム(断熱材付)スレート陶器瓦
    耐久性
    価格×
    重量(耐震性)×
    断熱性
    遮音性

    【主要外壁材との比較】

    比較項目ガルバリウム(断熱材付)窯業サイディングモルタル
    耐久性
    価格×
    重量(耐震性)
    断熱性
    デザイン性

    7.おすすめは「断熱材一体型」製品

    画像出典:アイジー工業株式会社

    ガルバリウム鋼板のデメリットとして挙げられる「断熱性(夏の暑さ)」と「遮音性(雨音)」ですが、これらは鋼板の裏側に断熱材が貼り付けられた「断熱材一体型」製品を選ぶことで、大幅に解消できます。
    断熱材が熱の伝わりを抑え、不快な雨音を吸収してくれます。

    私たちトラストホームでも、特に屋根に関しては断熱材一体型製品を標準的にご提案しており、施工後のお客様からは「2階の夏の暑さが全然違う」と大変ご好評をいただいています。

    外壁・屋根の状態、ご予算に応じた
    適切な工事をご提案いたします。
    福岡で外装についてお悩みがありましたらお気軽にご相談ください。
    フリーダイヤル:0120-52-1124 年中無休(9:00-19:00)
    ✉️ お問い合わせ・無料診断のお申し込みはこちら (24時間受付)

    8.まとめ:福岡の住まいに最適な選択は、信頼できるプロへの相談から

    ガルバリウム鋼板は、高い耐久性と耐震性、そして美しいデザインを兼ね備えた、現代の日本の住まいに非常に適した建材です。
    特に台風や地震への備えが重要な福岡エリアにおいて、その軽量性と強度は大きなメリットとなります。
    しかし、どんなに優れた素材も、建物の状態を見極め、正しく施工されて初めてその性能を最大限に発揮します。

    私たちトラストホームは、福岡に根ざした外装リフォームのプロフェッショナルです。
    建物を知り尽くした豊富な知見と職人直営の確かな技術で、お客様一邸一邸に最適なプランをご提案します。
    中間マージンを省いた適正価格と、最長10年の品質保証で、施工中はもちろん、施工後も末永くお客様の暮らしをお守りします。
    屋根や外壁のことでお悩みなら、ぜひ一度、地域密着の私たちトラストホームにご相談ください。