太陽光パネルの脱着費用はいくら?屋根リフォーム時の手順と業者選びの注意点
2025.10.27更新
ご自宅の屋根に設置された太陽光パネルは、日々の暮らしに貢献する重要な設備です。
しかし「太陽光パネルは長持ちするから」と、屋根自体のメンテナンスを後回しにしてはいませんか。
実は、太陽光パネルの寿命よりも先に、屋根材の寿命が尽きてしまうケースは少なくありません。
その場合、屋根を修理・リフォームするために、一度太陽光パネルを取り外して、工事完了後に再び設置する「脱着作業」が必要になります。
この記事では、太陽光パネルの脱着を伴う屋根メンテナンスの費用相場、具体的な工事手順、そして後悔しないための業者選びのポイントまで、専門家の視点から詳しく解説します。
1.太陽光パネルより先に屋根の寿命が来る現実
太陽光パネルの耐用年数は一般的に25年から30年と非常に長期間です。
一方で、屋根材の寿命は素材によって大きく異なり、太陽光パネルより短いものが多く存在します。
主な屋根材と太陽光パネルの寿命比較
| 種類 | 一般的な寿命の目安 |
| 太陽光発電システム | 25年~30年 |
| スレート屋根 | 20年~30年 |
| アスファルトシングル | 20年~30年 |
| ガルバリウム鋼板 | 30年~40年 |
| 陶器瓦 | 50年以上 |
表を見るとわかる通り、特にスレート屋根などは太陽光パネルの寿命を迎える前にメンテナンス時期が到来する可能性が高いです。
劣化した屋根に太陽光パネルが載っていると、雨漏りのリスクを高めたり、屋根材のさらなる破損を招いたりする危険性があります。
そのため、屋根の寿命に合わせてリフォームを行い、太陽光パネルを健全な状態で使い続けることが重要です。
2.太陽光パネルの脱着にかかる費用相場
屋根のリフォームに伴う太陽光パネルの脱着費用は、一般的な住宅(パネル約20枚)の場合、25万円から40万円程度が相場です。この費用には、パネルの取り外し、一時的な保管、そしてリフォーム後の再設置作業が含まれます。ただし、足場の設置状況や配線の状態、屋根の形状によって費用は変動します。
太陽光パネル脱着費用の内訳例
| 工事項目 | 費用の目安 | 備考 |
| パネル取り外し・保管 | 8,000円~/枚 | 電圧チェックや養生費用を含む |
| パネル再設置 | 8,000円~/枚 | 取り付け金具の種類による |
| 配線・接続確認 | 20,000円~/式 | 劣化部品の交換は別途 |
| パネル保管用ステージ | 20,000円~ | 足場に保管場所を設ける場合 |
| パネル清掃 | 20,000円~/式 | 脱着時に併せて行う場合 |
仲介業者を挟むと中間マージンが発生し、費用が40万円以上になるケースもあるため、直接施工を行う専門業者に依頼することが適正価格で工事を行うポイントです。
3.屋根リフォームに伴う太陽光パネル脱着の基本的な流れ

太陽光パネルの脱着と屋根リフォームは、安全かつ正確な作業が求められる専門工事です。
一般的な工事の流れをステップごとにご紹介します。
ステップ1:事前調査と準備
現地調査を行い、屋根の状態、太陽光パネルの設置状況、配線のルートなどを詳細に確認します。安全に作業を進めるため、工事計画を立て、足場を設置します。
ステップ2:太陽光パネルの取り外し
電気系統を安全に停止させた後、パネルを固定している金具を一つずつ丁寧に取り外します。取り外したパネルは、傷がつかないよう慎重に地上へ降ろし、工事期間中、安全な場所で保管します。
ステップ3:屋根のリフォーム工事
パネルがなくなった状態で、屋根のカバー工法や葺き替え工事といったリフォーム作業を実施します。
防水シートの設置や下地補修など、屋根の性能を回復させるための重要な工程です。
ステップ4:太陽光パネルの再設置
屋根工事完了後、新しい屋根材に適した方法で取り付け金具を設置します。
特に金属屋根の場合は、屋根に穴を開けない「キャッチ工法」で設置するのが主流です。
その後、保管していたパネルを再び屋根に設置し、金具で確実に固定します。
ステップ5:配線接続と最終確認
パネル同士の配線を元通りに接続し、パワーコンディショナーなどの周辺機器とつなぎます。
全ての接続が完了したら、システム全体の電圧や発電量が正常かを確認し、お客様にもモニターでご確認いただき、作業は完了です。
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4.太陽光パネル再設置のための屋根材選び
太陽光パネルを長く安心して使うためには、再設置する屋根材の選択が非常に重要です。
現在、太陽光パネルとの相性を考えた場合、最も推奨されるのが「金属屋根」です。
金属屋根は耐久性が高く軽量であることに加え、屋根に穴を開けずにパネルを固定できる工法に対応している点が大きなメリットです。
屋根に穴を開けない「キャッチ工法」

キャッチ工法とは、屋根材の端にある折り返し部分(馳:ハゼ)などを掴むように専用の金具を取り付ける工法を指します。
屋根の表面に直接ビスを打ち込む必要がないため、雨漏りのリスクを根本的に解消できる極めて有効な手段です。
太陽光設置に適した金属屋根の種類
金属屋根には大きく分けて「縦葺き」と「横葺き」があり、それぞれ太陽光パネル設置時のポイントが異なります。
縦葺き金属屋根

縦葺き屋根は、太陽光パネルとの相性が最も良い屋根材と言えます。
金具を屋根本体ではなく縦の継ぎ目部分に固定するため、屋根材を凹ませる心配がありません。
さらに、上下方向の任意の位置に金具を設置できるため、発電効率が最も高くなる場所を選んでパネルを取り付けられる利点があります。
横葺き金属屋根

横葺き屋根は、デザイン性の高さから多くのリフォームで採用されています。
しかし、横葺き屋根には部材同士の「横の継ぎ目」という構造上の注意点が存在します。
この継ぎ目の近くに太陽光パネルの支持金具を設置すると、すき間が生じて雨水の浸入リスクが高まります。
そのため、継ぎ目の数を減らせる「長尺(ちょうじゃく)」タイプの屋根材を選ぶことが一つの解決策です。
また、継ぎ目の位置を上下で揃えず、互い違いに配置する「千鳥葺き(ちどりぶき)」という施工方法で設置することも重要です。
千鳥葺きで施工することにより、金具の取り付け位置の自由度が高まり、安全な設置が可能になります。
断熱材一体型金属屋根の重要性

金属屋根は熱を伝えやすい性質を持つため、断熱材が裏打ちされた一体型の製品を選ぶことを強く推奨します。
断熱材は夏場の室温上昇を緩和するだけでなく、屋根裏で発生する結露を防ぐ効果もあります。
結露は屋根の下地である野地板を腐食させる原因となるため、断熱対策は屋根全体の寿命を延ばす上で不可欠です。
5.業者選びで失敗しないための注意点

太陽光パネルの脱着工事で最も重要なのが「業者選び」です。
単に「太陽光パネルを設置できる」という理由だけで業者を選ぶと、深刻なトラブルにつながる可能性があります。
①屋根の専門知識が不可欠
太陽光パネルの脱着は、電気の知識だけでなく、屋根の構造や防水処理に関する高度な専門知識が必須です。
屋根の知識が乏しい業者が施工すると、金具の取り付け方が不適切で雨漏りを引き起こしたり、屋根材を破損させたりするケースがあります。
②メーカーの認定施工店制度だけでは不十分
太陽光メーカーの認定資格は、あくまでパネルを設置するためのものです。それが屋根工事の品質を保証するものではないことを理解しておく必要があります。重要なのは、屋根工事の豊富な実績と専門知識を持っているかどうかです。
③避けるべき業者の特徴
・屋根の構造や雨仕舞いについて詳しい説明ができない。
・「メーカーの認定があるから大丈夫」としか言わない。
・雨漏り保証など、屋根工事そのものに対する保証内容が明確でない。
屋根のリフォームは、太陽光パネルの脱着費用以上に高額な投資です。
必ず屋根専門の工事業者に相談し、建物の構造まで理解した上で最適な提案をしてくれる業者を選びましょう。

まとめ
太陽光パネルを設置しているご家庭で屋根のリフォームを行う際は、パネルの「脱着」という特別な工程が必要になります。
その費用は決して安くありませんが、建物を長期的に守るためには不可欠なメンテナンスです。
重要なのは、屋根と太陽光パネルの両方を熟知し、質の高い施工ができる専門家へ依頼することです。
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