外壁サイディングの「横張りと縦張り」どちらを選ぶ?性能と費用の違いを解説

2025.10.27更新

外壁サイディングの「横張りと縦張り」どちらを選ぶ?性能と費用の違いを解説
目 次

    外壁サイディングのデザインを選ぶ際、色や柄だけでなく「張り方」も家の印象を大きく左右する要素です。
    一般的な「横張り」と、シャープな印象を与える「縦張り」。
    実はこの二つ、見た目の違いだけでなく、工事価格や外壁の性能、さらには将来のメンテナンスにも影響があることをご存知でしょうか?

    「どちらを選べばいいのか分からない」
    「性能に大きな違いがあるの?」

    そんな疑問をお持ちの方のために、このページでは福岡の外壁専門家トラストホームが、横張りと縦張りのそれぞれの特徴、メリット・デメリットを徹底比較。
    後悔しないサイディング選びのための知識を分かりやすく解説します。

    1.根本的な違いは「下地「胴縁」の向き」|「家の寿命に関わる通気性」

    横張りと縦張りの最も大きな違いであり、建物の耐久性に関わる重要なポイントが、サイディングの下地となる「胴縁(どうぶち)」を取り付ける向きです。

    胴縁とは?

    胴縁は、既存の壁と新しいサイディングの間に取り付けられる木材(または樹脂製)の下地材です。
    サイディングを固定する役割に加え、壁の内部に「空気の通り道(通気層)」を作るという非常に重要な役割を担っています。
    この通気層が、壁内の湿気を排出し結露や建物の腐食を防ぎます。

    張り方と胴縁の関係」

    サイディングと胴縁は、必ず互い違いの方向に取り付けられます。

    ・「横張りサイディング」の場合 → 胴縁は「縦向き」に取り付け(=縦胴縁)
    ・「縦張りサイディング」の場合 → 胴縁は「横向き」に取り付け(=横胴縁)

    そして、建物の通気性という観点からは、原則として「縦胴縁」の方が優れています。
    なぜなら、暖まった空気は下から上へ、壁内に入った湿気や雨水は上から下へと流れるため、縦方向の通り道の方がスムーズに排出されやすいからです。

    2.横張りサイディングの特徴とメリット・デメリット

    メリット

    ・通気性が高い構造

    下地が「縦胴縁」になるため、空気や湿気が上下にスムーズに流れやすく、壁内の結露や腐食のリスクを低減します。
    構造的に見て、通気が機能しやすい理想的な形と言えます。

    ・デザインの種類が豊富

    日本の住宅で最も一般的な張り方であるため、窯業系サイディングを中心に、レンガ調、タイル調、木目調など、非常に多くのデザインやカラーバリエーションから選ぶことができます。

    ・工事価格が比較的安い

    施工に慣れた職人が多く、縦張りに比べて施工の手間が少ないため、一般的に工事価格は安価になる傾向があります。

    デメリット

    ・縦の継ぎ目が多くなる

    サイディングパネルを横方向に張り重ねていくため、パネル同士の継ぎ目(目地)は「縦方向」に多く現れます。
    窯業サイディングの場合はこの縦目地にシーリング材を充填し、金属サイディングの場合はジョイナーと呼ばれる部材を取り付けます。
    縦張りに比べて継ぎ目の総延長が長くなるため、将来的なシーリングの打ち替え費用や、継ぎ目からの雨水浸入リスクが相対的に高くなります。

    3.縦張りサイディングの特徴とメリット・デメリット

    メリット

    ・継ぎ目が少なく、スッキリした外観

    パネルを縦方向に張るため、横方向の継ぎ目が主体となります。
    特に金属サイディングの場合、製品によっては「長尺(ちょうじゃく)対応」が可能で、軒から土台まで一枚のパネルで施工できるため、継ぎ目がほとんどない、非常にスッキリとした美しい壁面を実現できます。
    これにより、メンテナンス箇所も大幅に削減できます。

    ・シンプルでモダンなデザイン

    凹凸の少ないフラットなデザインや、縦のラインを強調した「スパン系」と呼ばれるデザインが多く、シャープで洗練されたモダンな印象を与えます。
    近年、デザイン性を重視する若い世代を中心に人気が高まっています。

    デメリット

    ・通気性に工夫が必要

    下地が「横胴縁」になるため、そのままでは空気の上下方向の流れが妨げられてしまいます。
    そのため、現在の施工基準では、胴縁と胴縁の間に一定の隙間(3cm以上)を設けることになっています。
    しかし、これだけでは不十分という指摘もあり、より確実に通気を確保するために、溝付きの「通気胴縁」を使用するなどの対策を講じることが推奨されます。

    ・工事価格が比較的高くなる

    横張りに比べて施工に手間がかかることや、長尺材を使用する場合の運搬・加工費などにより、一般的に工事価格は高くなる傾向があります。

    ・デザインの選択肢が限定的

    横張りに比べると、製品のデザインバリエーションは少なく、シンプル系のデザインが中心となります。単調にならないよう、玄関周りだけ木目調にするなど、他の素材と組み合わせるデザインも人気です。

    4.結局、どちらを選ぶべきか?

    横張りと縦張り、それぞれのメリット・デメリットを見てきました。
    性能面(特に通気性)では横張り(縦胴縁)に構造的な優位性がありますが、縦張り(横胴縁)であっても、「通気胴縁を使用する」など適切な対策を講じて施工すれば、性能面での心配はほとんどありません。

    したがって、最終的な選択は、「お客様のデザインの好み」と「ご予算」で決めていただくのが良いでしょう。

    ただし、どちらの張り方を選ぶにしても、その性能を100%引き出し、長期的な安心を確保するためには、「施工業者の専門知識と技術力」が何よりも重要です。
    特にリフォームの場合、新築と異なり、既存の壁の状態に合わせた臨機応変な対応が求められます。

    私たちトラストホームは、横張り・縦張りどちらの施工実績も豊富です。
    それぞれのメリット・デメリットを正直にお伝えし、通気胴縁の使用など、見えない部分にも一切妥協しない高品質な施工をお約束します。
    お客様の理想の外観と、長期的な安心の両方を実現するために、最適なプランをご提案させていただきます。

    【比較表】横張りと縦張り、あなたに合うのはどっち?

    ここまで解説した内容を、項目ごとに比較してみましょう。

    比較項目横張りサイディング縦張りサイディング
    デザイン性◎ 非常に豊富(レンガ、木目、タイル調など)△ シンプルでモダンなデザインが中心
    初期費用◯ 比較的安価△ 比較的高価になる傾向
    メンテナンス性△ 定期的なシーリング打ち替えが必要◎ 継ぎ目が少なくメンテナンスが容易
    通気性◎ 縦胴縁のため構造的に有利◯ 適切な対策をすれば問題なし
    防水性◯ シーリングが健全であれば問題なし◎ 継ぎ目が少なく雨漏りリスクが低い
    家の印象落ち着き、安定感、温かみシャープ、スタイリッシュ、高さ

    まとめ

    外壁サイディングの「横張り」と「縦張り」は、見た目の印象だけでなく、性能(特に通気性)、価格、メンテナンス性にも違いがあります。

    ・「横張り」:通気性に優れ、デザイン豊富で安価。ただし縦の継ぎ目が多い。
    ・「縦張り」:継ぎ目が少なくモダンな外観。ただし通気性に工夫が必要で高価。

    どちらを選ぶかは、デザインの好みと予算によりますが、最も重要なのは、それぞれの特性を理解し、適切な「施工できる信頼できる専門業者を選ぶこと」です。

    トラストホームでは、無料の建物診断で、お客様のお住まいに最適な張り方、デザイン、そして長期的なメンテナンス計画まで、トータルでご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。

    外壁・屋根の状態、ご予算に応じた
    適切な工事をご提案いたします。
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