【外壁材の完全ガイド】窯業系・金属系サイディング…福岡の家づくりプロが全種類を徹底比較

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【外壁材の完全ガイド】窯業系・金属系サイディング…福岡の家づくりプロが全種類を徹底比較

【外壁材の完全ガイド】窯業系・金属系サイディング…福岡の家づくりプロが全種類を徹底比較
目 次

    これから家を建てる方、あるいは外壁リフォームを検討されている方が、まず初めに直面するのが「外壁材選び」です。
    カタログには「窯業系」「金属系」「樹脂系」など、様々な種類のサイディングが並び、一体どれが自分の家に合っているのか、判断に迷われることも多いのではないでしょうか。

    外壁材は、家の「顔」であると同時に、雨風や紫外線から暮らしを守る「鎧」でもあります。
    見た目のデザインだけでなく、耐久性、メンテナンス性、そしてコスト。全てを考慮して、後悔のない選択をしたいものです。

    このページでは、福岡で数多くの外壁と向き合ってきた私たちトラストホームが、現在主流となっているサイディング外壁の全種類について、その特徴からメリット・デメリット、そしてプロの視点から見た選び方のポイントまで、徹底的に解説します。


    1. そもそも「サイディング」とは?なぜ日本の住宅の9割で使われるのか

    平成29年 戸建て新築住宅の外壁材シェア

    順位種類シェア(構成比)
    1位窯業(ようぎょう)系サイディング78.6%
    2位金属サイディング11.4%
    3位モルタル5.7%
    4位木質サイディング1.3%
    5位ALC板1.0%
    その他2.1%

    サイディングとは?シェア率が高まった背景

    「サイディング」とは、パネル形状になった外壁材の総称です。
    1990年代以前、日本の外壁は職人がコテで塗り上げる「モルタル壁」が主流でしたが、モルタル壁は施工に時間と高い技術を要します。

    そこに登場したのが、工場で生産され、現場で張り合わせるだけで施工が完了する「サイディング」です。
    工期が短く、品質が安定しており、コストも抑えられるというメリットから急速に普及し、現在では新築戸建て住宅の実に9割以上で採用される、外壁材のスタンダードとなりました。

    サイディング(特に窯業系と金属系)がこれほどまでに高いシェア(合計約90%)を占めるようになった背景には、従来の「モルタル(塗り壁)」と比較した際の、現代の住宅事情にマッチした合理性があり、下記の理由が挙げられます。

    • 工期の短縮
      サイディングは工場で生産された「板」を現場で張り付ける「乾式工法」です。一方、モルタルは現場で塗って乾かす「湿式工法」であり、天候に左右されやすく工期も長くなります。工期が短いことは、建築コスト全体を抑えることにも繋がります。
    • 品質の安定
      工場生産のため、製品自体の品質が均一です。モルタルのように職人の技術力によって仕上がりが大きく左右されることが少なく、安定した施工品質を確保しやすい点もハウスメーカーに選ばれる理由です。
    • デザインと機能の進化
      特にシェア1位の窯業系サイディングは、インクジェット塗装技術などの進化により、本物のタイルや石、木目と見分けがつかないほどデザインが精巧になりました。これにより、多様な外観ニーズに応えられるようになりました。

    【最重要ポイント】家の寿命を左右する「通気工法」の存在

    サイディングの歴史を語る上で欠かせないのが、2000年頃を境に行われるようになった「外壁通気工法」です。

    ・旧工法(~2000年頃):直張り工法

    直張り工法とは外壁材を、柱などの下地(構造躯体)に直接釘で打ち付ける方法。壁の内部に湿気が溜まりやすく、結露や雨漏り、さらには構造材の腐食に繋がるリスクがありました。

    ・現行工法(2001年以降):外壁通気工法

    下地と外壁材の間に胴縁(どうぶち)という木材を挟み、空気の通り道(通気層)を作る方法。この通気層があるおかげで、壁内の湿気は自然に排出され、建物の耐久性が飛躍的に向上しました。また、通気層は断熱効果ももたらし、暮らしの快適性も高めます。

    ご自宅がどちらの工法で建てられているかを知ることは、最適なリフォーム方法を考える上で極めて重要です。


    2. 【種類別】サイディングの徹底比較

    それでは、サイディングの主な4種類、「窯業系」「金属系」「樹脂系」「木質系」それぞれの特徴を見ていきましょう。

    ① 窯業(ようぎょう)系サイディング

    セメントと繊維質を主原料とし、窯で高温処理して作られる板状の外壁材。新築戸建て住宅で約8割の圧倒的なシェアを誇り、最もポピュラーな外壁材です。

    メリット

    • デザインが圧倒的に豊富: レンガ調、タイル調、木目調など、本物と見紛うほどのリアルなデザインが揃っています。
    • 価格が比較的安い: 材料費・施工費ともにコストを抑えることが可能です。
    • 施工実績が豊富: 多くの業者で施工可能で、製品の品質も安定しています。

    デメリット

    • シーリングのメンテナンスが必須: パネルの継ぎ目にあるシーリング(コーキング)が10年~15年で劣化するため、定期的な打ち替えが必要です。
    • 水を吸いやすい性質: 塗膜が劣化すると、素材自体が水を吸いやすくなります。

    💡トラストホームのプロ視点

    「10年経ったら必ず塗装が必要」という話に、過度な心配は不要です。特に「外壁通気工法」で施工された近年の高性能な窯業サイディングは、20年近く良好な状態を保つことも珍しくありません。塗装の時期を見極める上でより重要なのは、外壁表面の塗膜よりも、継ぎ目にある「シーリング」の劣化状態です。シーリングのひび割れは、雨漏りの直接的な原因となります。私たちは、診断時にこのシーリングの状態を重点的にチェックし、本当に必要なメンテナンスをご提案します。

    ② 金属サイディング

    ガルバリウム鋼板やSGL鋼板、アルミなどを成形した外壁材。シャープでモダンなデザインが人気で、近年シェアを伸ばしています。特にリフォーム(外壁カバー工法)ではNo.1の人気を誇ります。

    メリット

    • 軽量でリフォームに最適: 非常に軽いため、既存の外壁の上に重ね張りする「カバー工法」が可能。建物の耐震性も向上します。
    • メンテナンスが楽: 高耐久な焼付塗装が施されており、色褪せしにくいです。シーリングを使う箇所も少なく、メンテナンスの手間とコストを大幅に削減できます。
    • 断熱性・遮音性が高い: 多くの製品が断熱材と一体化しており、夏涼しく冬暖かい快適な住環境と、光熱費の削減に貢献します。

    デメリット

    • 価格がやや割高: 窯業系サイディングに比べ、材料費・施工費ともに高価になります。
    • 傷や凹みに注意が必要: 鋭利なものが当たると傷が付き、そこからサビが発生する可能性があります。

    💡トラストホームのプロ視点

    金属サイディングは、長期的な視点で見れば最もコストパフォーマンスに優れた外壁材の一つです。初期費用は高くとも、その後のメンテナンスコストを大幅に削減できます。その性能を100%引き出すには、専門知識を持つ「建築板金工事会社」による精密な施工が不可欠です。私たちトラストホームは、福岡に根ざす職人直営の専門工事会社。豊富な経験と確かな技術で、美しい仕上がりと長期的な安心をお約束します。

    ③ 樹脂サイディング

    樹脂サイディングのイメージ画像

    樹脂サイディングは、塩化ビニール樹脂(PVC)を主原料としたプラスチック製の外壁材です。軽量で施工がしやすく、高い耐久性とメンテナンス性を兼ね備えているのが特徴です。

    アメリカやカナダなどの寒暖差が激しい地域では、全外壁材の50%以上を占めるほど一般的で、長年にわたり使用されています。日本ではまだ普及率が1〜2%程度と低いものの、近年ではデザイン性や性能の高さから徐々に注目を集めています。

    メリット

    • 価格が安い: サイディングの中で最も安価な部類に入ります。
    • 色褪せに非常に強い: 素材自体に色が練り込まれているため、塗装によるメンテナンスが基本的に不要です。30年保証を掲げる製品もあります。
    • シーリングが不要: パネルを重ね合わせて張るため、継ぎ目にシーリングを使いません。

    デメリット

    • 施工実績が少ない: 日本での普及率が低いため、施工できる業者が限られます。
    • デザインが限定的: シンプルな「下見板張り」のデザインがほとんどです。

    💡トラストホームのプロ視点

    非常に優れた性能を持つ、将来性のある外壁材です。しかし、日本での歴史が浅いため、施工にはメーカーの施工方法を熟知している必要があります。デザインが好みであれば、費用を抑えつつメンテナンスフリーに近い性能を得られる、面白い選択肢と言えるでしょう。

    ④ 木質サイディング

    木質サイディング

    木質サイディングは、天然の木材を加工して作られた外壁材で、その最大の魅力は自然素材ならではの温かみや優しい風合いにあります。無機質な外壁材には出せない柔らかい質感や、経年による色合いの変化が楽しめる点も人気の理由です。

    メリット

    • 唯一無二のデザイン性: 天然木ならではの風合いと高級感は、他の素材では再現できません。

    デメリット

    • 価格が非常に高い: サイディングの中で最も高価です。
    • メンテナンスが大変: 水分を含むと腐食や反りの原因となるため、定期的な塗装(保護塗料の塗布)が不可欠です。

    💡トラストホームのプロ視点

    デザインへの強いこだわりを実現できる、魅力的な外壁材です。しかし、福岡の多湿な気候や強い日差しから美しさを保つには、こまめなメンテナンスが欠かせません。その手間とコストを受け入れられるかどうかが、採用の鍵となります。

    まとめ:最適な外壁材は、お客様の価値観とプロの診断から

    ここまで4種類のサイディングをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

    • デザインとコストのバランスなら「窯業系サイディング」
    • 長期的な耐久性と機能性を求めるなら「金属サイディング」
    • メンテナンスフリーと価格を両立するなら「樹脂サイディング」
    • 唯一無二の天然の風合いを愛するなら「木質サイディング」

    それぞれに素晴らしい魅力があります。「これが一番良い」という絶対的な答えはありません。

    私たちトラストホームの役目は、お客様のご予算やデザインのお好み、そして将来のライフプランをじっくりお伺いし、その上でプロとしてご自宅の状態を正確に診断すること。
    そして、数ある選択肢の中から、お客様にとって本当にベストな外壁材とリフォーム方法をご提案することです。

    「うちの家には、どの外壁材が合っているんだろう?」 そう思われたら、ぜひお気軽に無料の建物診断をご利用ください。

    屋根の状態、ご予算に応じた
    適切な工事をご提案いたします。
    福岡で外装についてお悩みがありましたらお気軽にご相談ください。
    フリーダイヤル:0120-52-1124 年中無休(9:00-19:00)